2022年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 504-2 核化学,放射化学,分析化学,アクチノイドの化学

[3I01-03] 分離挙動

2022年3月18日(金) 09:50 〜 10:45 I会場

座長:鷹尾 康一朗 (東工大)

10:05 〜 10:20

[3I02] 陰イオン交換樹脂を充填するためのマイクロチャンネルの設計と性能評価

*大内 和希1、塚原 剛彦2、Aileen Brandt2、武藤 由樹2、生田目 望3、駒 義和1、北辻 章浩1 (1. JAEA、2. 東工大、3. 茨城大)

キーワード:マイクロチップ、樹脂充填マイクロチャンネル、ウラン分離、ICP-MS、海水

高線量試料の分離工程における放射線被ばくリスクや二次廃棄物の低減をするため,微小スケール分離に適した陰イオン交換樹脂充填マイクロチャンネルの設計とそのウラン分離性能を評価した.マイクロチャネルは断面積が同程度で外周の異なる2つの形状を設計した.結果として,マイクロチャネルの深さ及び幅方向に約10個以上の樹脂を配列することで期待されるウラン分離性能が得られることがわかった.また,この樹脂充填マイクロチャンネルを福島第一原子力発電所の原子炉建屋滞留水と同程度のセシウムを添加した海水試料に適用したところ,ウラン濃度は2.85±0.07 ppbが得られ,認証値(2.81±0.16 ppb)とよく一致した.また,このフラクション中のセシウム濃度は初期濃度の1/1000以下であった.よって,この樹脂充填マイクロチャンネルは複雑なマトリクス試料のウラン分離に適用可能な性能を有しているといえる.