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[3I09] MCCCE法を用いたリチウム-7濃縮技術開発
(1)開発の概要
キーワード:MCCCE、Li-7、PWR、ロシア
PWR一次系冷却水のpH調整は、LiOHを用いて行なわれている。Liは天然にLi-6とLi-7の同位体が存在するが、Li-6は中性子吸収剤であるため、被ばく管理の観点からできる限りLi-7を濃縮する必要がある。 現在、Li-7の供給はロシアの独占状態であり、日本もロシアからの輸入に依存している。しかしながら、これは安全保障上の課題となる。また、ロシアが採用している水銀を扱う水銀アマルガム法は、環境面からも課題となる。これらのリスクを回避するためには、安全保障面及び環境面を考慮した新たな国内供給体制の構築が必要となる。 本研究では、既往法に代わる新たな濃縮技術としてマルチチャネル向流電気泳動(MCCCE)法に着目した。MCCCE法は電気泳動のキャピラリー法と向流法を組み合わせた手法で、電気泳動により物質を移動させる一方、向流する溶液で目的同位体を濃縮する方法である。本報告では、MCCCE法によるLi-7濃縮開発の概要について報告する。