第60回全日本病院学会

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救急・防災委員会

救急・防災委員会
「マスギャザリング」

Sat. Oct 6, 2018 2:50 PM - 4:20 PM 第4会場 (ヴァンドーム)

座長:猪口正孝 (公益社団法人全日本病院協会 常任理事 / 公益社団法人全日本病院協会 救急・防災委員会 副委員長 / 医療法人社団直和会 平成立石病院 理事長), 山本保博 (医療法人伯鳳会 東京曳舟病院 病院長 / 一般財団法人救急振興財団 会長 / 日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院 顧問 / 日本医科大学名誉教授・医学博士 / 一般社団法人協力隊を育てる会 会長 / 学校法人日本体育大学 名誉顧問)

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 最近、北朝鮮のKim-Jong-un朝鮮労働党委員長がICBM発射や核実験の中止を発表したのだが、過去の度重なる弾道ミサイル発射、核実験のエスカレートなどで、我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変化してしまった。
 2020東京オリンピック・パラリンピックを2年後に控えてテロリズムに対する予防や警戒対策は、より重要性が増してきている。安全保障上で重要な生物テロ、放射線テロ、化学物質テロなど、兵器としてのNBC軍事攻撃などへの対応は、これまで以上に災害医療として重要性が高く、注目を浴びるようになってきている。
 最近の調査で日本人の大きなリスク要因は大地震、戦争、原子力、テロリズム、大規模交通事故などと報告されていたが、地震と交通事故を除けば、武力攻撃事態と準武力攻撃事態(緊急対処事態)である。
 武力攻撃事態である弾道ミサイル発射への対応については国民保護法で対応することになる。国民保護法とは2004年6月に成立した「武力攻撃事態などにおける国民の保護のための措置に関する法律」であり、4事態に分類されており、①着上陸侵攻、②ゲリラ・特殊部隊による攻撃、③弾道ミサイル攻撃、④航空機による攻撃である。
 また、これらに準じる事態(緊急対処事態)として原子力発電所の破壊、石油コンビナート、ガス貯蔵施設の爆破、イベント施設や主要ターミナル駅の攻撃などが考えられている。
 しかし、これらの武力攻撃に対する日本の医療関係者の興味は極めて低く、特に兵器による銃創や爆傷に対する対応は経験も知識も乏しい。
 テロリズムなどが発生することも考慮しながら、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて救急医療体制をどこまで構築できるかがこれから重要な課題になってくるだろう。
 予防救急、緊急対処、DMAT、AMATなど瓦礫の下からの医療、SCU(広域搬送時の医療)などが重要となる。