第60回全日本病院学会

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病院のあり方委員会

病院のあり方委員会
「「地域包括ケアシステム」構築推進にむけた対応 ~進捗評価指標の利用~」

Sat. Oct 6, 2018 10:30 AM - 11:50 AM 第3会場 (パレロワイヤルB)

座長:徳田禎久 (公益社団法人全日本病院協会 常任理事 / 公益社団法人全日本病院協会 病院のあり方委員会 委員長 / 社会医療法人禎心会 札幌禎心会病院 理事長・院長)

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 2025年を目途に進められている「地域包括ケアシステムの構築」に関しては、全国的に計画の遅れが指摘され、国も本腰を入れて対応を図りつつある。
 キーワードは「住まい、医療、介護、予防、生活支援」であるが、実際の取り組みに際し各施設が実施している周辺事業も合わせ地域への貢献が大きく中心的な役割を果たすことが求められるのは医療介護系施設であり、その意味で医療介護複合体としての運営も多い全日病会員の関わりが大変重要となるはずである。
 市町村別のケアシステム構築にあたっては地域特性が大きく関与するため、各地域における該当会員の取り組みの参考になるのは、同じような環境の成功事例とその詳細である。成功事例に関しては、厚労省が補助事業で相当数の収集を行って公開しており、2014年「事例を通じて、我がまちの地域包括ケアを考えよう 地域包括ケアシステム事例集成 ~できること探しの素材集~」では、緒項目に従って報告を行うチェックリスト・取りまとめシートが、2015年「地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防・生活支援の取組事例の収集・分析に関する調査研究事業報告書」では、介護予防と高齢者生活支援別に 「成果」「住民参加」「地域連携」「事業運営」の4つの視点を整理した「評価プロトコル」も示されているが、これらの内容の周知は不十分である。
 「病院のあり方委員会」では、医療介護提供者の目線での評価する共通フォーマット(①地域の特性:人口/高齢化率/産業・文化の特徴/主要な医療・介護・福祉サービス提供主体/これまでの連携の状況/情報共有の仕組み/行政のリーダーシップ ②主要な課題:住民-高齢化、健康意識、健康状況/コミュニティーの崩壊など 提供主体の連携-特定のサービス提供の有無・情報の共有の仕組み・場の問題・リーダーシップ(呼びかけ人)の有無 結果評価・定着の仕組み ③取り組みの実際:重点は自助・互助・共助・公助のいずれか/主要な参加プレーヤー/経時推移/問題認識の共有から計画策定・実施/評価と定着/二次的な効果など ④教訓:他地域で利用可能な教訓など/今後の持続可能性に関する課題など)を作成した。
 本シンポジウムでは、「地域包括ケアシステム」の持つ意味を再確認し、現在推進中の2地区(都市型-伊勢崎市・地方型-足寄町)の取り組みを全日病版共通フォーマットで対比し、異なる地域特性を踏まえて進捗評価を行う指標を議論し、会員の取り組みの一助としたい。