演者:尾身茂1, 井上健一郎2,3,4, 前野哲博5,6,7, 加藤琢磨8 (1.独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 理事長, 2.公益社団法人全日本病院協会 常任理事, 3.公益社団法人全日本病院協会 プライマリ・ケア検討委員会委員・プロジェクトリーダー, 4.社会医療法人春回会 井上病院 理事長, 5.公益社団法人全日本病院協会 プライマリ・ケア検討委員会 特別委員, 6.筑波大学 医学医療系 地域医療教育学 教授, 7.筑波大学附属病院 副院長, 8.厚生労働省 医政局看護課医事課医師臨床研修推進室)
セッション情報
プライマリ・ケア検討委員会
プライマリ・ケア検討委員会
「全日本病院協会総合医育成事業について」
2018年10月7日(日) 10:10 〜 11:40 第3会場 (パレロワイヤルB)
座長:小川聡子 (公益社団法人全日本病院協会 プライマリ・ケア検討委員会 副委員長 / 医療法人社団東山会 調布東山病院 理事長・院長), 宮地千尋 (公益社団法人全日本病院協会 理事 / 公益社団法人全日本病院協会 プライマリ・ケア検討委員会 委員 / 医療法人社団明倫会 宮地病院 理事長)
今、社会構造の変化と医療の持続可能性への不透明感などにより、病院を取り巻く環境は激変しています。また、各病院は地域に密着した診療活動の中で、現場感覚としての強い危機感を持っています。
高齢患者が著増する中で地域包括ケアシステムを効果的に実現させるために、地域に密着した病院には、今後、臓器別にとらわれない幅広い診療、多様なアクセスを担保する診療、そして、多職種からなるチーム医療のマネジメントなどが実践できる組織であることが求められています。さらには、予防・健康増進や介護施設との連携など、患者の生活全体を視野に入れた機能を構築する必要があります。
総合的・俯瞰的にこのような病院機能の改善をはかることができ、かつ組織の運営に積極的に関与できる人材としての医師の育成が重要になります。
これらの課題の解決に取り組む人材として、総合診療専門医が注目を集めています。しかし、その養成制度は2018年度に始まったばかりで、総合診療専門医が全国的に行き渡るには相当の年数を要します。そのため全日病では、時代に対応する病院像をさらに希求し、「全日病協会病院総合医育成事業」を開始することとしました。
現場の医療の変化は待ったなしの課題です。地域の全日病会員施設で働く一定のキャリアを持つ医師の中には、個々の有する専門性や経験を生かしつつ、このような患者増の変化に対応して、さらに診療の幅を広げ、新たなキャリア形成を志向する医師も増えてくることが予想されます。本事業は、そのような医師を支援するためのプログラムです。