第61回全日本病院学会

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医療の質向上委員会

医療の質向上委員会
医療安全管理体制相互評価の意義と対応

Sat. Sep 28, 2019 1:40 PM - 3:10 PM 第3会場 (白鳥ホール(南))

座長:飯田修平(公益社団法人全日本病院協会 理事/公益社団法人 全日本病院協会 医療の質向上委員会 副委員長/公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院 理事長・院長)
演者:永井庸次(公益社団法人全日本病院協会 常任理事/公益社団法人 全日本病院協会 医療の質向上委員会 委員長/株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 名誉院長) ,藤田茂(東邦大学医学部 社会医学講座 医療政策・経営科学分野 講師) ,小澤里美(磐田市立総合病院 医療安全管理者) ,金内幸子(公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院 薬剤科長)

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 医療の安全確保は、病院団体、職能団体、医療機関および医療従事者の責務です。しかし、昨今、安全に関する問題が多発し、医療における安全の確保は国民の強い要請となっています。かかる情勢を受けて、厚生労働省は、平成18 年の医療法改正で、医療機関に医療安全管理体制の整備を課しました。
 医療安全管理体制相互評価は、特定機能病院に義務化されていますが、それ以外の医療機関は任意であり、いくつかの団体が自主的に実施しています。
 平成30 年4 月の診療報酬改定では、医療安全対策地域連携加算が新設されました。しかし、相互評価の方法や内容は標準化されておりません。同一の考え方、同一の評価基準、同一の評価表で、自己評価し、他院の評価を受けることが重要です。
 したがって、当委員会では、医療安全対策地域連携加算に適切に対応するために、標準的安全管理点検表を作成することとしました。平成30 年度に4回の「医療安全管理相互評価者養成講習会」を開催しました。最初の3 回の講習会の知見等に基づいて、標準的安全管理点検表とその点検表の解説をまとめ、『医療安全管理体制相互評価の考え方と実際: 規模別· 機能別に適用できる標準的相互評価』を出版しました(メディカ出版 平成30 年12 月)。本年1 月には、本書に基づいた標準的安全管理点検表の実践に基づいて、第4 回目の講習会を開催しました。
 現時点では、研修会の受講は施設基準の要件ではありませんが、感染管理加算と同様に、近い将来、体制構築および運用の実態が問われることは必至と認識しています。
 本委員会企画は、本制度の意義を理解していただく共に、実践する参考に資することを目的にしています。
 本制度の意義、標準的相互評価点検表の開発、相互評価の評価者教育、標準的相互評価点検表を用いた相互評価の実際を評価側および受入側の立場から口演いただき、その後、 総合討議を予定しております。会場からの活発な質疑も期待します。