第61回全日本病院学会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム5
病院事務職の矜持

2019年9月29日(日) 09:00 〜 11:00 第2会場 (白鳥ホール(北))

座長:川本一男(社会福祉法人香徳会 理事) ,
シンポジスト:佐合茂樹(木沢記念病院 病院長補佐兼事務長) ,朝見浩一(一般社団法人上尾中央医科グループ協議会 経営管理本部/医療事業部 病院管理室 室長) ,新山毅(社会医療法人清風会 廿日市記念病院 事務長)

photo/S5.jpg
(学会長からの企画のねらい)
 今回のテーマである「医療人のプライド」、これは専門職だけが持ちうるものでは決してない。組織の確固たる理念を堅持しつつも時代や周辺環境の移り変わりとともにしなやかに、したたかに生き抜く病院経営の原動力は、言うまでもなく優秀な事務職の方々であると思われる。シンポジウム2 でも言及したように、それぞれの医療専門職が後顧の憂いなくプライドを持って各人のスキルを発揮できるような職場の環境作りも、事務職の方々によるお膳立てがあってのこと。それだけに病院事務職で経営や組織運営に携わる方々にも「自分たちが病院の屋台骨を支えているのだ」というプライドを持って取り組んでいただきたいと切に思う。
 地域医療構想、地域包括ケアシステム、働き方改革や消費税といった大きな流れを見据えつつ、足元の診療報酬改定対応や場合によっては医療安全、患者サービス、そして労務管理と、事務職の方々が精通しなければならない事柄は極めて多岐にわたっている。P. ドラッガーは最もマネジメントの困難な組織はオーケストラと病院であると言ったが、そのコンダクターでもあり裏方でもあるのが病院事務職なのだと思っている。
 今回座長をお願いした香徳会の川本様は愛知県医療法人協会の一員であり、長年にわたり良質な医療経営とは何かを考えており、本シンポジウムのとりまとめをお願いするのに最適任と思われた。そしてシンポジストは言うまでもなく日本を代表する事務職の巨人といえる方々である。
 演者の方々に共通していえることは、「肚に力がすわっている」ということ。具体的な事例、事蹟は勿論のこと、そのマインドを感じ取っていただきたいと思う。そして事務職として組織を引っ張っていこうとされている方ばかりでなく、組織管理、部門管理を行う立場のすべての職種の方々にとっても、普段の関わりのなかでは決して聴くことのできないお話を耳にするまたとない機会となるだろう。そしてまるで生き物のような病院組織を成長、発展させていくのもまた人であるということを、本シンポジウムを通して実感していただければ有難く思う。