2020年度全国大会(第55回論文発表会)

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Reports of CPIJ

Report Session III

Sun. Nov 8, 2020 3:30 PM - 5:15 PM 第VI会場

司会:瀬田 史彦(東京大学大学院)

3:45 PM - 4:00 PM

[219] 居住履歴からみた大都市圏住民の「故郷(ふるさと)」意識に関する研究

○大野 浩史1、菊池 雅彦2、小嶋 文1、加藤 哲平1、久保田 尚1 (1. 埼玉大学、2. 国土交通省)

Keywords:人口移動、居住履歴、故郷(ふるさと)、関係人口

現在,日本政府は,東京一極集中緩和のため,地域との繋がりを構築し,地域へ新たな人の流れを生み出す取り組みを強化している.地域との繋がりの構築において注目されている「関係人口」は,人々の地縁・血縁と関連する事が示唆されている.地域との所縁がある住民意識を表す際に「故郷」等の用語がしばしば用いられるが,「故郷」に対する住民意識の実態は十分には明らかにされていない.本研究では,地域活性化の基礎情報として活用する事を目的に,埼玉県在住者を対象とした調査を行い,居住履歴の分類から,「故郷」に関する意識,「故郷」のまちづくりへの参加意欲と移住可能性,「故郷」への訪問頻度の関係等を明らかにした.
調査の結果,埼玉県で生まれ育った人々の多くは,「故郷」と意識している地域が祖父母や父母の出身地方ではなく埼玉県であり,「明確な「故郷」を持たない」という人は少数であった.また,地方出身の1代目の多くは現住所以外を「故郷」と意識しており,「故郷」への訪問頻度は多く,「故郷」と意識する地域のまちづくりへの参加意欲も高いことが分かった.