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[3] 看板・広告物に着目した河川沿いの景観の変化に関する研究
-福岡市中洲地区を対象として
キーワード:河川景観、屋外広告物、中洲
本研究の目的は,古写真や絵葉書から過去の景観を復元し,中洲地区の河川沿いのビルボードの立地の変化を分析することである。変化の背景を議論するために、土地利用や交通基盤の変化も分析し,中洲地区に広告物が集積した要因を考察することである。中洲地区は、近世は大部分が畑地であった。明治時代に大規模施設が立地した場所が戦後,都市機能の中心を担い、人々が通行・滞在する機会が増えたことで広告物が集積した。特に明治通りは開通後,街の主要な公共交通である路面電車が置かれたため、沿道には広告塔や看板を伴う店舗が集積した。広告物の数は1980 年以降減少しており、今後の建て替えで中洲の景観がさらに変化するだろう。そのため、中洲特有の景観の価値を議論することが重要であり、本研究はそのための基礎的な情報を分析したものである。