2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[13]-[18]

2021年11月6日(土) 09:40 〜 12:00 第II会場 (共通講義棟C EL16)

司会:沖 拓弥(東京工業大学)

09:40 〜 10:00

[13] 移動距離・所要時間・燃料消費量に着目した右折禁止規制の効果

○袖山 仁志1、栗田 治2 (1. (株)野村総合研究所、2. 慶應義塾大学)

キーワード:右折禁止、格子状道路網、移動距離、所要時間、燃料消費量

都市の道路網において右折禁止規制をかけると,同一起終点でも移動距離が伸びることがあるため平均移動距離は大きくなる.ところが米国大手運送会社UPSは,事故の可能性が高く,さらにアイドリング時間の増大につながる左折(米国では車は右側通行)を原則禁じた配送ルートを設定することで,燃料消費量および二酸化炭素排出量を削減することに成功した.本研究では,運送会社のみならず都市全体で右折を禁ずることで,より大きな効果が得られるのではないかという仮説に基づき,モデル解析を行った.具体的には,格子状道路網の街区辺上に一様分布する起終点間の移動距離・所要時間・燃料消費量についてそれぞれ平均値と確率密度関数を導出し,右折禁止規制をかける前後の結果を比較した.その結果,右折禁止規制によって平均移動距離は大きくなるが,ある規模以上の都市においては,所要時間・燃料消費量の面で右折禁止規制のほうが良い結果を得られることがあるということを示すことができた.また,その都市規模の分岐点も簡単な方程式の解によって具体的に表されることを示した.