2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[13]-[18]

2021年11月6日(土) 09:40 〜 12:00 第II会場 (共通講義棟C EL16)

司会:沖 拓弥(東京工業大学)

10:20 〜 10:40

[15] ダイヤの接続性を考慮した地域公共交通網の性能評価手法に関する研究

○長谷川 大輔1、嚴 先鏞2 (1. 東京大学生産技術研究所、2. 筑波大学システム情報系)

キーワード:都市内公共交通、利便性、時空間ネットワーク、都市構造、路線網形状

少子高齢化やインフラ維持管理費用の増加に伴い,「コンパクト・プラス・ネットワーク」の構築が求められている.このような都市構造を支えるためには,住民の移動の利便性を考慮した効率的な公共交通ネットワーク形成が必要であり,現在の公共交通ネットワークの性能を住民の利便性の観点から評価することが不可欠である.しかし,多くの自治体で人口カバー率を中心にした公共交通利便性の評価や拠点計画が行われており,カバー率が同じであっても移動需要に対応した路線網とダイヤの接続性によって住民の利便性は大きく異なる.そこで本研究では,公共交通のダイヤの接続を考慮できる時空間ネットワークを構築し,住民の日常的な移動に対した自治体の公共交通ネットワークの性能を平均移動速度と移動時間割合から評価し,利便性向上のための改善方策を検討することを目的とする.第一に,平均移動速度は,路線形状が移動需要とどの程度マッチしているかを評価する.第二に,移動時間割合は,運行頻度と接続性によって発生する待ち時間による時間ロスを定量化する指標である.最後に,これらの二つの指標の組み合わせにより,住民の利便性向上のための改善方策を検討する.