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[26] 復興まちづくりおけるコミュニティの居住環境の課題に関する一考察
-岩手県釜石市による10年間の復興の取り組みを事例に
キーワード:復興まちづくり、コミュニティの居住環境、住民ワークショップ
本研究は、大規模な津波被害を受けた地方小規模都市の1つである岩手県釜石市を対象に、コミュニティの居住環境が整備されつつあった2017年度に住民ワークショップを実施し、コミュニティの居住環境についての課題を定性的に把握した。また2019年度に、釜石市民を対象に居住環境の改善度についてのアンケート調査行った。本研究の目的は、釜石市の復興まちづくりについて明らかにし、二つの調査結果について報告して、復興まちづくりによる新しいコミュニティの課題(取り組むべき論点)を考察することである。住民WSでは、震災を経て、仮設住宅から復興公営住宅・自力再建に向かう段階で、確かに安全な場所に基盤は整備されたが、一方で一変した生活基盤のなかでいくつかの新しいコミュニティ課題が具体化された。アンケート調査の結果では、居住環境の評価として、被災地域は散歩に適した公園や道路環境、公民館等の地域の活動の場の不足について被災地域の約4割が改善傾向と答え、復興支援地域の意識についても有意差が見られた。最後に、釜石市の復興まちづくり(計画及び事業)により創造されたコミュニティの居住環境に関する課題について、考察しまとめた。