2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[30]-[35]

2021年11月6日(土) 12:40 〜 15:00 第III会場 (共通講義棟C EL26)

司会:畠山 雄豪(東北工業大学)、福田 由美子(広島工業大学)

13:20 〜 13:40

[32] 公共空間で行われるアートプロジェクトでの中間組織の役割に関する研究

-東京アートポイント計画「TERATOTERA」を事例に

○常泉 佑太1、伊藤 香織1、高柳 誠也1 (1. 東京理科大学)

キーワード:公共空間、アートプロジェクト、中間組織、質的データ分析

公共空間の多様性を考える上で、個人の表現活動であるアートと公共空間の公共性はどのように両立するのだろうか。近年のアートプロジェクトの増加によって、アートと地域をつなぐ中間組織の役割が期待される。本研究の目的は、公共空間を利用してアートプロジェクトが行われる際に中間組織にどのような役割が求められるのかを明らかにし、中間組織が関与することによる公共空間でのアートの可能性について考察することである。東京アートポイント計画TERATOTERAを事例とした資料調査、インタビュー調査によって、中間組織の役割を明らかにする。結果として、公共空間を利用する際には、中間組織のアートマネジメントの専門性によるアーティストの作品の本質をできるだけ担保する調整、空間の管理者毎に文化的意義の共有を図る交渉、中間組織による責任の所在の明確化がアーティストの表現の創造性を担保することがわかった。さらに、ギャラリーとは異なりアートに対する基礎知識や前提についての知識を有していない市民の目にも触れる公共空間の環境がアートによる新たなコミュニケーションの可能性を広げていることがわかった。