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[36] 高速道路整備時期の違いが地域の発展に与えた影響に関する実証的研究
-九州を対象とした操作変数法とSCGEモデルによる検証
キーワード:地域格差、高速道路、操作変数法、空間的応用一般均衡、九州
高速道路整備は沿線の自治体にストック効果をもたらすと言われる。他方、同じ地方圏においても整備時期に違いが生じることは多々存在する。本研究は、整備時期の違いが地域の発展に与える影響の違いを生じた可能性を明らかにすることを目的とする。具体的に操作変数法と空間的応用一般均衡分析を用いて、九州地方における実証分析をおこなった。初めに統計的検定により高速道路整備の効果を推定する操作変数として昭和前期の駅数を提案した。そのうえで、操作変数法による分析から、整備時期の違いが人口やGRPの変化に与える影響の差異として現れた可能性を統計的に有意な結果で示した。空間的応用一般均衡分析では、地域間での経済的偏在を解消する整備計画を提案した。一方、社会全体では非効率であることが示されるなど、今後は人口構造や産業立地を踏まえた更なる検討を進めたい。