12:40 〜 13:00
[54] 交通ビッグデータを用いた地方都市中心市街地の人出等に対するCOVID-19感染拡大防止対策の影響分析
-複数の緊急事態宣言による影響の違いに着目して
キーワード:COVID-19、人出、中心市街地、ベイズ構造時系列モデル、介入
本研究では,モバイル空間(分布統計)による滞留人口と歩行者通行量のデータを用いて,両データを単純集計した結果と季節変動を考慮するために差分を取った値を用いたbstsによる結果を用いて,政府緊急事態宣言1回目,県独自宣言,政府緊急事態宣言2回目による人出等への影響を分析した.その結果,主に以下の成果が得られた.1) 条件が異なる複数の緊急事態宣言の実施および解除による人出等の変化を分析し,多くの施設に休業要請が出された政府緊急事態宣言1回目の介入前後では,他の介入と比較して人出等が大きく減少したことを確認した.2) 政府緊急事態宣言1回目の解除後に歩行者通行量よりも滞留人口の回復が小さいことから,滞在時間が短くなった可能性を示した.これは2種類のデータを比較することでしか把握できない貴重な知見である.3) 時間帯ごとに異なる人々の活動に着目し,それらに対応する各種意識調査データを引用して背景にある要因を検討した結果,交通ビッグデータと意識調査から得られたそれぞれの知見はおおむね一致していることを確認した.