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[59] 駅周辺特性による異質性を考慮した地方鉄道の存廃が駅勢圏人口に及ぼす影響の分析
キーワード:地方鉄道の廃止、駅勢圏人口、傾向スコアマッチング・差分の差分法、異質性
本研究では,1981年から1990年に廃止された地方鉄道の駅を対象として,地方鉄道の存廃が駅勢圏人口に及ぼす影響およびその影響の駅周辺特性による異質性を定量的に推定した.分析には,統計的因果推論の代表的手法である傾向スコアマッチング・差分の差分法(PSM-DID)を用いた.
その結果,地方鉄道を廃止することで,存続した場合と比較すると駅勢圏人口を最大で8.3%程度減少させることが統計的に示された.そのうえで,鉄道廃止前の駅周辺特性に着目して分析した結果,鉄道の廃止による影響は,駅周辺の特性によって差異がみられることを明らかにした.具体的には,鉄道廃止前の駅勢圏人口が多かった駅や公共交通分担率が高かった駅では,鉄道の廃止によって駅勢圏人口をより減少させることが示された.
その結果,地方鉄道を廃止することで,存続した場合と比較すると駅勢圏人口を最大で8.3%程度減少させることが統計的に示された.そのうえで,鉄道廃止前の駅周辺特性に着目して分析した結果,鉄道の廃止による影響は,駅周辺の特性によって差異がみられることを明らかにした.具体的には,鉄道廃止前の駅勢圏人口が多かった駅や公共交通分担率が高かった駅では,鉄道の廃止によって駅勢圏人口をより減少させることが示された.