2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[66]-[71]

2021年11月6日(土) 12:40 〜 15:00 第VI会場 (共通講義棟C EL44)

司会:荒木 裕子(名古屋大学)、及川 康(東洋大学)

13:00 〜 13:20

[67] 災害復興移転集落の空間配置と計画の特徴

-台湾モラコット台風の再建事例として

○蔡 松倫1、落合 知帆1、侯 旻志2、曾 敏恵3 (1. 京都大学地球環境学舎、2. 台湾国立成功大学建築学部、3. 台湾国立防災研究センター)

キーワード:復興計画、台風モラコット、災害復興、政府政策、NGOs

2009年8月台風モラコットは台湾に前代未聞の災害をもたらした。その後、政府は大規模な復興計画を実施した。台風モラコットの災害復興に関する研究を俯瞰的に理解するため、本研究では、全国35ヶ所の復興集落空間とその計画の特徴に注目し、また復興支援を担った地方自治体およびNGOの意思決定の違いを分析した。 本研究の結論は、1)高雄地域が移転世帯数が多く、被災コミュニティーが統合し移転した事例は多い。2)35集落は、6種類の集落配置タイプに分類でき、様々な状況に応じ異なった配置タイプを用いたが、そのうち複合型の計画手法が住民から評価された。3)復興効率を優先する地方自治体やNGOがいる一方、被害者間のコミュニケーションや住民参加を優先する地方自治体やNGOもあるなど復興支援を担うステークホルダー間で大きな違いが見られた。4)国有地が再建用地になるケースは全体の8割にのぼった、しかし、元居住地と移転集落の関係を維持することが難しくなった。