2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画報告会

都市計画報告会②

2021年11月6日(土) 15:30 〜 17:15 第V会場 (共通講義棟C EL43)

司会:大門 創(國學院大學)

16:15 〜 16:30

[211] 欧州におけるサッカースタジアムの複合化の特徴

-空間構成,開発経緯,開発主体に着目して

○池内 亮太1、新 雄太1、後藤 智香子1、熊越 佑介1、近藤 早映2、吉村 有司1、小泉 秀樹1 (1.東京大学、2.三重大学)

キーワード:複合化サッカースタジアム、欧州、空間構成、開発経緯、開発主体

欧州の複合化サッカースタジアムに共通する特徴を抽出することで,今後の日本でのスタジアム開発への知見を得ることを目的として,日本で得られたデータから欧州のサッカースタジアムの傾向と複合化サッカースタジアムの特徴,5つの事例のケーススタディから空間構成や開発経緯,開発主体についての実態を明らかにした.スタジアム開発は国内リーグや国際大会を契機に行われやすく,自動車でのアクセス性が重視されることがわかった.さらに複合化スタジアムは主に1990年以降,地域の再生の手段として,低未利用地に商業施設とオフィスを伴い開発され,公共交通でのアクセス性が重視されることが明らかとなった.また,クラブの開発意向に市による開発の動機が加わることで,官民連携での開発が行われやすい.一方,優勝回数の多い知名度のあるクラブで複合開発が行われやすいものの,開発は資金面でハードルが高いことが課題として挙げられる.日本では,地方自治体がスタジアムを所有する場合が多いので,地方自治体の計画のもと民間活力を生かした開発が行われる可能性は高い.