2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[82]-[87]

2021年11月7日(日) 09:40 〜 12:00 第I会場 (共通講義棟C EL15)

司会:一ノ瀬 友博(慶應義塾大学)、川澄 厚志(金沢大学)

09:40 〜 10:00

[82] 近江八幡の水郷地帯に分布するヨシ原の維持管理主体の一元管理の有効性

○小池 のどか1、松本 邦彦2、澤木 昌典2 (1. パシフィックコンサルタンツ株式会社、2. 大阪大学大学院工学研究科)

キーワード:文化的景観、ヨシ原、一元管理、管理放棄

本研究は重要文化的景観選定の近江八幡の水郷地帯のヨシ原保全に関与する多くの維持管理主体の作業量・能力を集約し、保全すべきヨシ原の多面的な各機能の保全に見合う作業能力を有する維持管理主体を、現状の所有権等の制約を越えて適正に配置する一元管理の導入可能性を検証するものである。導入の結果、管理放棄面積が2.3ha低減し、手刈りを必須とするような各機能に適した方法で維持管理がなされるヨシ原が増加した。将来的にボランティア数を増加させることを想定し作業量の上限を増加させると、ヨシ産業や観光業に関わる機能の保全を優先するシナリオにおいて、生物多様性保全などその他機能も含め総合的に保全率が向上し、産業利用を前提とした保全優先度設定の有効性が示唆された。