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[89] COVID-19影響下における港北ニュータウンの緑道機能に対する社会的便益の評価
キーワード:緑道、グリーンインフラ、仮想評価法(CVM)、ロジスティック回帰分析
本研究の目的は、住民の支払い意思額に基づいて緑道が有する多面的機能の価値を算出し、住民属性と価値の関係性を明らかにすることである。本研究は、横浜市都筑区にある港北NTのGMSを対象に、地域住民に向けたアンケート調査を行い計665件の回答を得た。仮想評価法(CVM)を用いて、緑道が有する8つの機能に対して住民が捉えている価値を比較した結果、住民のニーズが高い項目は「環境調節」、「季節感」、「避難場所」、「生き物の棲み処」という機能であった。レクリエーションなどの「活動の場」やCOVID-19の「感染防止」は他項目よりも低かった。また住民の属性と価値の関係性についてロジスティック回帰分析を行った結果、「年齢」、「緑道までの徒歩時間」、「緑道の利用頻度」が価値の算出に関係していた。年齢が高いほど「感染予防」に対して支払い意思を示し、自宅から緑道が近い住民ほど「環境調節」に対して支払い意思を示す。また緑道を毎日利用している人ほど「防災・減災」に支払い意思を示す傾向があった。