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[90] 日常風景写真を用いた風景認識に関する感性を育む教育プログラムの開発と評価
キーワード:日常風景、風景認識、感性
本研究では,地域において魅力的な風景を創出するためには,地域で暮らす人々が地域の風景を眺めるときに「多様な主体への理解」や「風景への主体的な参画」の意識を持つことが重要であり、これらの意識を規定する感性として他者とのつながりの中で「自己中心性」と「他者配慮性」が共存することで生み出されるものとされる「公共的感性」に着目し,これを育む手法として,日常風景を題材とした景観教育プログラムを開発した.そして,実際に愛媛大学生を対象に実施し,その有用性をプログラムの成果物とアンケート調査から把握した.その結果,「公共的感性」は参加者の「個人の資質」である非言語的コミュニケーションスキルとグループワークによって創出される「場の雰囲気」の相互作用によって向上することが明らかになった.特に,「自己中心性」は他者との積極的な会話によって育まれること,「他者配慮性」は非言語的コミュニケーションスキルが高い人ほど会話を必要としない他者との協働作業によって育まれることが明らかになった.これらの育まれ方の違いに着目し,「公共的感性」を効果的に育むワークのあり方を検討することが課題として挙げられた.