講演番号[136]-[138]

[137] 水害実績図を用いた市街地における浸水実績の把握と水害リスクの評価

○中野 卓¹、木内 望¹ (1. 国立研究開発法人建築研究所)

キーワード：浸水リスク、水害区域、土地利用計画、減災、水害統計調査

本研究では、都市における外水氾濫による水害リスクの実態を、浸水実績に基づいて詳細に把握するため、被災市区町村が水害統計調査の一環として浸水箇所毎にその範囲・原因等を記録する「水害区域図」に着目し、これを用いて家屋被害の特に多い地域の地理的特徴等を分析した。PDFファイル形式で入手した水害区域図についてshapeファイル形式のデータへと変換し、国土数値情報データ等と併せて解析することで市街地特性・地形的特性の分析を可能とした。その上で、床上以上浸水被害が多く生じた地域の都市計画上の位置付けと地形的特性等の傾向を明らかにし、結果を踏まえて、特に対策が必要と思われる水害被害のケースを抽出し、その特徴と対策の方向性を考察した。分析を通じて、市街地における浸水実態の把握・分析方法を提示し、浸水リスクの高い市街地の特性を一定程度明らかにすることができた。