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[116] 原発被災後のまちなかにおける再建状況と解体後空き地の変容
-福島県小高・浪江・富岡における実態比較から
キーワード:原発災害、建物解体、再建、空き地の変容、まちなか
福島県浜通りの原発被災地域では、地震・津波による家屋への被害に加えて、人が居住しなくなった家屋の荒廃も進んだ。公費等による建物解体が行われた結果、原発被災地域のまちなかには大量の空き地が発生した。住民の帰還や移住者の流入が進みつつあるものの、建物の再建状況および空き地の変容という地域ごとに起こっている被災後の空間変容は、地域ごとに異なっている。本研究では、南相馬市小高区・浪江町・富岡町のまちなかにおいて、①被災前までの社会的・空間的変容、②被災後の人口変化や再建・解体による空間的変容、③解体後の空き地として残存している土地の変容、④空き地と周辺の建物との関係、についてそれぞれ調査を行った。その結果、被災後の居住人口の違い、居住者特性の違いとそれに伴う再建建物類型の違い、そして再建建物に応じた空き地活用の違いがまちなかの空間変容の違いに影響を与えていることが明らかになった。原発被災後のまちなかにおいて、空き地活用の促進をするためには、地域特性や周辺で起こっている活動を把握した上で、ひとつひとつの場所に適合する活用のあり方を検討する視点が要求される。