AsCNP/JSNP/JSCNP 2019

セッション一覧

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[CNP] シンポジウム

[CNP_S1] シンポジウム1
産業精神薬理学2019

2019年10月11日(金) 08:20 〜 10:20 第2会場 (411+412)

オーガナイザー・座長:吉村 玲児(産業医科大学医学部精神医学教室)、座長:新開 隆弘(産業医科大学医学部精神医学教室)

向精神薬を服用しながら仕事をしている人は多い。昨今精神科薬物療法に関するエビデンスやガイドラインがいくつも報告されている。しかし、実際の患者さんを目の前にした場合、そのガイドラインに示されている結果を適応することが果たして妥当であるのか迷うことが多い。もちろん、論文やガイドラインが照準を定めている対象群と自分の患者の類似や相違点を考えてその治療法適応性の外的妥当性を検討すればよい。しかし、就労中の患者の薬物療法に関する知見は非常に少ないのが現状であるし、患者がどのような仕事をどのくらいの時間行っているのかなどの情報も薬物療法に影響する。従って、仕事に就く、仕事を続けるという観点から薬物療法を再考察する必要がある。本シンポジウムでは、就労や産業医学から精神疾患の薬物療法を議論したい。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S2] シンポジウム2
統合失調症薬物治療ガイドライン改訂版の狙いと範囲

2019年10月11日(金) 08:40 〜 10:20 第3会場 (413+414)

オーガナイザー:古郡 規雄(獨協医科大学精神神経医学講座)、座長:中込 和幸(国立精神・神経医療研究センター)、染矢 俊幸(新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野)

精神科薬物療法については、臨床家ごとのばらつきが大きく、よりよい医療を普及させることが必要とされている。抗精神病薬の単剤治療を行うことが海外の各種ガイドラインで推奨されているが、本邦では諸外国と比較して突出して抗精神病薬の多剤投与が多く薬剤数が多い。抗精神病薬の多剤併用率が65%程度であり、抗パーキンソン薬、抗不安薬/睡眠薬、気分安定薬の併用率もそれぞれが30-80%と高い。そして、2014年には、向精神薬の多剤処方に対する診療報酬の減額がなされた。本邦においては、統合失調症の薬物治療ガイドラインが2015年9月に日本神経精神薬理学会より発表された。このガイドラインは、精神科分野においては本邦初のMinds法を用いたエビデンスに基づいたもので、現在CNPとNPが合同で統合失調症薬物治療ガイドライン改訂版が作成されている。本シンポジウムでは各パートの進捗状況を報告する予定である。

08:56 〜 09:08

竹内 啓善1、金沢 徹文2、伊藤 侯輝3、大矢 一登4 (1. 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室、2. 大阪医科大学神経精神医学教室、3. 北海道大学大学院医学研究科神経病態学講座精神医学分野、4. 藤田医科大学医学部精神科)

09:08 〜 09:20

田近 亜蘭1、樽谷 精一郎2、堀 輝3、松田 勇紀4、村田 篤信5、岸本 泰士郎6 (1. 京都大学医学部附属病院精神科神経科、2. 大阪精神医学研究所新阿武山病院、3. 産業医科大学医学部精神医学教室、4. 東京慈恵会医科大学精神医学講座、5. 慧眞会協和病院薬剤科、6. 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

09:20 〜 09:32

嶽北 佳輝1、池田 俊一郎1、沼田 周助2、澤山 恵波3、木村 大4,5、野村 郁雄6,7、諏訪 太朗8 (1. 関西医科大学精神神経科学教室、2. 徳島大学大学院医歯薬学研究部精神医学分野、3. 北里大学医学部精神科学、4. 学而会木村病院、5. 千葉大学大学院医学研究院精神医学、6. 藤田医科大学精神神経科学、7. もりやま総合心療病院、8. 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座(精神医学))

09:44 〜 09:56

坪井 貴嗣1、波多野 正和2、永井 努3、佐々木 剛4、小田 陽彦5、江角 悟6、山田 浩樹7、角谷 寛8、橋本 保彦9、冨田 哲10 (1. 杏林大学医学部精神神経科学教室、2. 藤田医科大学医学部臨床薬剤科、3. 昭和大学薬学部病院薬剤学講座、4. 千葉大学医学部附属病院こどものこころ診療部、5. 兵庫県立ひょうごこころの医療センター、6. 岡山大学病院薬剤部、7. 昭和大学医学部精神医学講座、8. 滋賀医科大学睡眠行動医学講座、9. 神戸学院大学薬学部、10. 弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座)

10:08 〜 10:20

渡邉 央美1、根本 清貴2、安田 貴昭3、菊地 紗耶4、伊藤 賢伸5、鈴木 利人6 (1. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構医薬品安全対策第一部、2. 筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学、3. 埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック、4. 東北大学病院精神科、5. 順天堂大学医学部精神医学講座、6. 順天堂大学越谷病院メンタルクリニック)

[CNP] シンポジウム

[CNP_S3] シンポジウム3
最先端技術から期待される近未来精神科治療-リキッドバイオプシー、スマートナノマシン、DNA脱メチル化-

2019年10月11日(金) 08:40 〜 10:20 第4会場 (409)

オーガナイザー・座長:加藤 正樹(関西医科大学医学部医学科精神神経科学講座)、座長:馬場  元(順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学)

精神疾患における薬物療法は、脳実質のサンプリングが事実上不可能であり、臨床上有用なバイオマーカーが無い点、薬物は脳血液関門を通過する必要があるため高分子なものや遺伝子治療が不可能な点、環境要因が大きく影響しているが、その環境要因と関連するメチル化を修正する方法が明らかになっていない点などが限界である。 近年、これら問題点に関する研究が発展し、解決に向かう出口が見えつつある。本シンポジウムは、精神科の今後の薬物療法に希望をもたらす、それら最先端技術の現状と精神科での応用の可能性に関して広く知っていただくのが狙いである。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S4] シンポジウム4
双極性障害の薬物療法アップデート2019

2019年10月11日(金) 08:40 〜 10:20 第5会場 (410)

オーガナイザー・座長:寺尾  岳(大分大学医学部精神神経医学講座)、座長:井上  猛(東京医科大学精神医学分野)

双極性障害の薬物療法は気分安定薬のみならず、非定型抗精神病薬や新規抗うつ薬によるところが大きい。さらに最近では、光線療法や暗闇療法ないしサングラス療法も注目されている。このようなことから、定期的に新規参入薬物や新規治療法を従来の薬物療法とともに検討し、エビデンスを整理し直し、治療法の内容を再検討する必要が生じる。このような必要性から2019年度版として、その道の専門家にアップデートをしてもらう。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S5] シンポジウム5
各診療科の視点から、てんかんを多角的に評価する ~てんかん診療のスキルアップを目指して~

2019年10月11日(金) 08:40 〜 10:20 第7会場 (403)

オーガナイザー・座長:清水 秀明(愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学)、座長:上野 修一(愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学)

てんかん診療は、小児科、脳外科、神経内科、精神科の4つの診療科にまたがる疾患である。小児のてんかんは、成人とは異なる特徴的な臨床症状や脳波所見が認められる。また、てんかん発作のコントロールが薬物治療で困難な場合、外科治療の適応を検討することになる。さらに、てんかん発作と見誤りやすい臨床症状を呈する疾患として、失神や心因性非てんかん発作などが挙げられる。このように、てんかん診療の幅は広く、各診療科との連携が不可欠であるが、その多彩な症状から臨床的な評価が難しく、他科へのコンサルトを行うべきか判断に迷うケースも少なくない。今回のシンポジウムでは、各診療科の視点から、てんかんを多角的に評価し、てんかん診療のスキルアップを目指したい。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S6] シンポジウム6
市販後の有効性・安全性評価に関する諸問題

2019年10月11日(金) 08:40 〜 10:20 第8会場 (404)

オーガナイザー・座長:稲垣  中(青山学院大学教育人間科学部 / 青山学院大学保健管理センター)、座長:中林 哲夫(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

新規医薬品の製造・販売が承認される際には、第I相から第III相に至る一連の市販前臨床試験においてその有効性と安全性が検証される。しかしながら、市販前臨床試験は十分な安全性情報を得る上で十分なサンプルサイズが確保されているとは言い難い上に、対象患者を臨床試験に組み入れるに際してさまざまな選択基準が設けられるため、一般化可能性の面で限界があり、有効性と安全性について未検証の部分が存在する。したがって、新規医薬品の有効性と安全性については市販前臨床試験のみでは不十分であり、市販後もさまざまなルートから得られるデータに基づいて情報を更新してゆく必要がある。
そこで、今回のセッションでは、今後わが国で向精神薬の有効性・安全性評価を行うに際して課題となるであろうトピックから、健康関連QOL評価、メタ解析、レセプトを用いた薬剤疫学研究の3点について議論する。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S7] シンポジウム7
重度かつ慢性の特徴を持つ統合失調症および治療抵抗性統合失調症の治療戦略と将来の医療体制

2019年10月11日(金) 10:30 〜 12:10 第2会場 (411+412)

オーガナイザー・座長:伊豫 雅臣(千葉大学大学院医学研究院精神医学)

我が国では、精神科病床数の多さが問題であり、その中でも社会的入院の多さが目立っている。同時に、重度かる慢性状態の統合失調症が、全国で、約8万5000人以上いると推定されている(厚労班研究:安西班)。また、ドーパミン過感受性の問題で、我が国の抗精神病薬の多剤併用、オーバードーズが指摘されており、また、それも治療反応性を悪化させ難治例を、作り出している。ここで我々は、治療抵抗性の、あるいはそうならないためのストラテジーを大まかには、確立して学会から、発表するべきではないのか、統合失調症ガイドラインの改定も控えているが、その中でも、特別な章をさいて、特殊な治療も含めて(ECT,クロザピン、LAI等)、ストラテジーを確立すべきではないかと考える。もし、それらが成功したとした場合、厚労省の試算する、待機患者は、減少し、現在までの古典的な、精神科病院の役割は、変化するであろうし、地域での、精神障害者の生活も、変化していくだろう。上記を考えることは、精神障害社の将来の社会システムを構築していくことと同義だと考えられる。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S8] シンポジウム8
これからの、抗うつ薬を用いたうつ病治療の展望

2019年10月11日(金) 10:30 〜 12:10 第3会場 (413+414)

オーガナイザー・座長:近藤  毅(琉球大学大学院精神病態医学講座)、座長:堀   輝(産業医科大学医学部精神医学教室)

日本のうつ病を取り巻く状況は、変遷の一途をたどり、社会学的な視点から見ても、現代の社会潮流の流れが大きく影響していると考えざるを得ない。重度の内因性うつ病の減少、メランコリアの軽症化、現代型といわれるうつ病の多様性、社会不安障害及び不安障害がベースになる軽度のうつ病の増加、自己愛性パーソナリティとの表現系としてのうつ病、広汎性発達障害など、このように大いなる多様性に満ちた状態である。ところで、抗うつ薬の進歩もめざましく、SSRI,SNRI,NaSSA,等の新規の薬物療法が1980年代後半から、現在まで大きな流れを作っており、治療における中心的な薬剤となっている。今後、これらの中心的薬剤は、特許が切れ、おそらく全てがジェネリックに置き換えられ、現在しh上で臨床治験が行われている、全く新規の薬理機序を持った薬剤が、出現してくるのも間もないのだろう。一体そういう時代の流れに合って、今後の、本来望ましい薬物療法とは何か。まだ、あまり、確定的な強いエビデンスも出ていない中で、今の時点で、それらをディスカッションすることは有意義ではないかと思われる。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S9] シンポジウム9
発達障害をめぐる周産期の諸問題

2019年10月11日(金) 10:30 〜 12:10 第4会場 (409)

オーガナイザー・座長:鈴木 利人(順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック)、座長:内村 直尚(久留米大学医学部神経精神医学講座)

近年、精神疾患合併妊婦の割合が増加しており、周産期メンタルヘルスに関する病院機能の充実が求められている。これまで気分障害や統合失調症の妊娠・出産への対応や産後うつ病に対する対策が取り上げられる機会が多かった一方で、臨床現場では発達障害の母親の妊娠・出産に遭遇することも稀ではない。本シンポジウムで「発達障害と周産期」をキーワードとして、それにかかわるさまざまな課題を提示した。第一に発達障害の母親の妊娠・出産における諸問題を取り上げその課題と対策について議論する。第二に発達障害の母親が内服する治療薬の母体と胎児への影響についてここ数年蓄積されつつあるデータについて紹介する。第三に視点を変えて向精神薬内服中の母親から出生した児の機能奇形、すなわち発達障害出現への影響について考察する。そして最後にこれらの臨床的知見に関わる基礎的研究として、マウスを用いた動物実験のデータを紹介する。

10:30 〜 10:35

内村 直尚1, 鈴木 利人2 (1. 久留米大学医学部神経精神医学講座, 2. 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック)

11:35 〜 11:55

田熊 一敞1,2,3、原 雄大3,4,5、吾郷 由希夫3,4,6、橋本 均2,4,7,8、中澤 敬信1,4、松田 敏夫3 (1. 大阪大学大学院歯学研究科薬理学教室、2. 大阪大学大学院連合小児発達学研究科、3. 大阪大学大学院薬学研究科薬物治療学分野、4. 大阪大学大学院薬学研究科神経薬理学分野、5. 近畿大学薬学部細胞生物学研究室、6. 大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野、7. 大阪大学データビリティフロンティア機構、8. 大阪大学先導的学際研究機構)

[CNP] シンポジウム

[CNP_S10] シンポジウム10
MUSUBI-J研究2019

2019年10月11日(金) 10:30 〜 12:10 第5会場 (410)

オーガナイザー・座長:吉村 玲児(産業医科⼤学医学部精神医学教室)

MUSBI-J研究は日本臨床精神神経薬理学会と日本精神神経科診療所協会との合同プロジェクトであり現在も進行中である。本プロジェクトの目的は、日本でのリアルワールド精神科薬物療法の実情や患者さんの就労状況などを明らかにすることで、今後の精神科薬物療法に生かすことにある。その結果はすでにいくつかの学会のシンポジウムで発表している。今回の[MUSUBI-J2019]では、これまでの研究結果より未発表データを中心に発表する。

10:30 〜 10:55

中川 敦夫1,2、菊地 俊暁2、古郡 規雄3、吉村 玲児4、加藤 正樹5、坪井 貴嗣6、近野 祐介4、菅原 典夫3、足立 直人7、窪田 幸久7、阿瀬川 孝治7、上田 均7、枝川 浩二7、勝元 榮一7、後藤 英一郎7、本郷 誠司7、渡邊 衡一郎6 (1. 慶應義塾大学病院臨床研究推進センター、2. 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室、3. 獨協医科大学精神神経医学講座、4. 産業医科大学医学部精神医学教室、5. 関西医科大学精神神経科学講座、6. 杏林大学医学部精神神経科学教室、7. 日本精神神経科診療所協会)

11:20 〜 11:45

近野 祐介1、藤野 善久2、吉村 玲児1、中川 敦夫3、菊地 俊暁3、古郡 規雄4、加藤 正樹5、坪井 貴嗣6、菅原 典夫4、足立 直人7、窪田 幸久7、阿瀬川 孝治7、上田 均7、枝川 浩二7、勝元 榮一7、後藤 英一郎7、本郷 誠司7、渡邊 衡一郎6 (1. 産業医科大学精神医学教室、2. 産業医科大学産業生態科学研究所 環境疫学研究室、3. 慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室、4. 獨協医科大学精神神経医学講座、5. 関西医科大学精神神経科学講座、6. 杏林大学医学部精神神経科学教室、7. 日本精神神経科診療所協会)

11:45 〜 12:10

徳満 敬大1、古郡 規雄1、吉村 玲児2、加藤 正樹3、中川 敦夫4、菊地 俊暁1,4、坪井 貴嗣5、足立 直人6、窪田 幸久6、阿瀬川 孝治6、上田 均6、枝川 浩二6、勝元 榮一6、後藤 英一郎6、本郷 誠司6、渡邊 衡一郎6 (1. 獨協医科大学精神神経医学講座、2. 産業医科大学病院神経精神科、3. 関西医科大学精神神経科学講座、4. 慶應義塾大学精神神経科学教室、5. 杏林大学医学部精神神経科学教室、6. 日本精神神経科診療所協会)

[CNP] シンポジウム

[CNP_S11] シンポジウム11
精神科プレシジョンメディスンとPGx

2019年10月11日(金) 16:30 〜 18:10 第3会場 (413+414)

オーガナイザー・座長:加藤 正樹(関西医科大学医学部医学科精神神経科学講座)、座長:池田 匡志(藤田医科大学医学部精神神経科学)

日本の精神科遺伝、薬理遺伝関連研究は世界から遅れをとっており、本学会会員もこのフィールドの現状をキャッチアップ出来ている人は 多くないと感じます。
AI技術の発展とともに、臨床精神薬理に大きく関わる分野であり、本学会が日本の中心の一つを担うべく、教育、底上げを継続していきたいと思います。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S12] シンポジウム12
プラセボ反応をどう理解し、どのように克服するのか

2019年10月11日(金) 16:30 〜 18:10 第4会場 (409)

オーガナイザー・座長:古郡 規雄(獨協医科大学精神神経医学講座)、座長:内田 裕之(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

本来、薬物としての効果はない錠剤などを「特別の効果をもつ薬である」と伝えて被験者に与えると、暗示的な作用が働いて、説明された通りの効果が得られることがある。このような効果をプラセボ効果と呼び、その偽薬を“プラセボ(Placebo)”と呼んでいる。新薬の臨床試験では、プラセボ群に対してその効果を評価することにより、科学的に薬の効力を証明することが行われている。これまでの臨床治験ではプラセボ投与群における治療反応率が高いため、実薬で有意差が得られず、世に出てこなかった薬物が多い。プラセボ効果は、臨床試験において薬効の正確な評価を行う上での妨げになることから、長い間厄介者扱いされてきた。しかしながら患者側から見れば治療効果を得たことに変わりない。プラセボ反応とは何なのか、また、プラセボ反応する予測因子はあるのか、さらにはこのプラセボ反応を臨床にどのように応用するべきなのかを議論していきたい。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S13] シンポジウム13
過感受性精神病と治療抵抗性統合失調症、そして遅発性ジスキネジアとの関係

2019年10月12日(土) 08:40 〜 10:20 第5会場 (410)

オーガナイザー・座長:渡邊衡一郎(杏林大学医学部精神神経科学教室)

1970年代にChouinardによって提唱された「ドパミン過感受性精神病」がここ数年注目され、我々が日常臨床で対応に難渋する治療抵抗性統合失調症例、減薬・中断、あるいは変薬時の精神病症状の増悪、さらには遅発性ジスキネジアまでもが、この概念で説明可能とされている。
本シンポジウムでは、改めてこの概念に注目し、この概念に再び焦点を当てられた千葉大学伊豫教授を初めとして、ドパミン関連研究における我が国の第一人者達に集まっていただき、様々な角度からこの概念を検証することとした。

[CNP] シンポジウム

[CNP_S14] シンポジウム14
クロザピンのTDMの現状と今後の課題

2019年10月12日(土) 08:40 〜 10:20 第7会場 (403)

オーガナイザー・座長:菊池 結花(秋田大学医学部神経運動器学講座精神科学分野)、座長:稲田  健(東京女子医科大学医学部精神医学講座)

Clozapine (CLZ) は治療抵抗性統合失調症患者にとって唯一残された薬物治療上の選択肢である。海外のガイドラインにおいては生化学検査にあわせてCLZ服用時にTDMを行うことが推奨されており、その推奨ランクは最も高いAランクである。しかし、日本においてはCLZ血中濃度に関する情報が不足しており、薬物動態学-薬力学(PK-PD)理論に基づく投与設計が臨床においてほとんど展開されていないのが現状である。したがって、CLZをより有効に使用するためにTDMを積極的に実施し、PK-PD理論を考慮した個別化投与設計を確立することが重要と考える。本シンポジウムではクロザピンのTDMの現状について紹介し、さらに将来的に集積したデータをもとに、クロザピンが特定薬剤治療管理料の算定薬物となることを目標とした今後の展望についても述べたい。

09:25 〜 09:40

高橋 正洋1、森田 幸代2、松尾 雅博4、赤羽 理也3、上西 幸治3、山田 尚登1 (1. 社会福祉法人杏嶺会上林記念病院、2. 滋賀医科大学医学部附属病院緩和ケア、3. 滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部、4. 滋賀医科大学医学部医学科精神医学講座)

09:40 〜 09:55

北川 航平1、矢田 勇慈2、児玉 匡史1,2、宋 龍平2、馬場 大樹3、片山 暁子4、牧田 丈子4、来住 由樹2 (1. 岡山県精神科医療センター臨床研究部、2. 岡山県精神科医療センター精神科、3. 岡山県精神科医療センター薬剤課、4. 岡山県精神科医療センター検査室)

[CNP] シンポジウム

[CNP_S15] シンポジウム15
スポーツと臨床精神薬理学

2019年10月12日(土) 08:40 〜 10:20 第9会場 (405)

オーガナイザー・座長:小澤 寛樹(長崎大学医学部精神神経科学教室)、座長:堀   輝(産業医科大学医学部精神医学教室)

来年度に迫る東京五輪に向け、本国ではスポーツと健康が注目を集めている。米国などではアスリートに対する精神医学的トレーナーが活躍している。一方、うつ病、認知症などその精神疾患の改善・予防には睡眠、食事・栄養とともに運動・スポーツの有用性が多くの報告より支持されてきている。そこで本シンポジウムでは発達症、うつ病、統合失調症の視点から具体的な対応を試みている演者よりその詳細を発表いただく。

08:40 〜 09:10

米澤 健1,2、小澤 寛樹1 (1. 長崎大学医学部精神神経科学教室、2. 杠葉病院薬剤部)

[CNP] シンポジウム

[CNP_S16] シンポジウム16
高齢者の精神疾患に対する薬物療法Up-to-Date

2019年10月12日(土) 10:30 〜 12:10 第5会場 (410)

オーガナイザー・座長:馬場  元(順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学)、座長:上野 修一(愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域精神神経科学講座)

急速にすすむ我が国の高齢化を背景に、精神科の臨床現場においても高齢患者の診療にあたる機会は増えている。高齢患者に対する薬物療法においては、加齢に伴う薬物代謝の変化や身体合併症、併用薬剤を考慮するのはもちろんだが、それぞれの精神疾患のおける高齢者ならではの臨床的特徴によって、薬物療法のストラテジーがより若い世代の同じ疾患に対するものと異なる場合がある。
本シンポジウムでは高齢者の発達障害、うつ病(特に精神病症状を伴ううつ病)、双極性障害(特に双極性うつ病)そして認知症(特にアルツハイマー型認知症)の薬物治療について、それぞれのエキスパートに最新の知見と実臨床に役立つ情報を紹介していただく。

10:30 〜 10:32

馬場 元1,2 (1. 順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学、2. 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院)

12:07 〜 12:10

上野 修一 (愛媛大学大学院医学系研究科分子・機能領域精神神経科学講座)