第43回日本認知症学会学術集会

セッション情報

シンポジウム

[SY8] シンポジウム8「脳血管と認知症」

2024年11月21日(木) 13:00 〜 14:40 第5会場 (3F 中会議室(A・B))

座長:新堂 晃大(三重大学大学院医学系研究科神経病態内科学),眞木 崇州(京都大学大学院医学研究科臨床神経学)

脳血管と認知症の関連は血管性認知症のみにとどまらず、血管危険因子がアルツハイマー病のリスクにつながること、さらに血液脳関門の障害や慢性脳低灌流がアルツハイマー病理に影響を与えることなどが報告され、特に脳小血管病とアルツハイマー病が相互に関連することが示されている。脳小血管病では高血圧性細動脈硬化症の他、脳アミロイド血管症、さらに遺伝性脳小血管病のCADASIL、CARASILについて病態解明のみならず新規治療法の開発がなされている。臨床現場において、脳小血管病の診断はラクナ梗塞や微小出血、大脳白質病変や血管周囲腔拡大などの存在や分布をMRI画像を検討することで行ってきたが、近年さらに皮質微小梗塞やや脳表ヘモジデリン沈着症について新たな知見が得られている。遺伝性脳小血管病では新規治療開発がされており、本シンポジウムでは、脳血管と認知症との関連について脳小血管病を中心に最新の研究内容を学ぶ機会としたい。まずはその診断に結びつくMRI画像について最新の研究を紹介し、さらにこれまでのアルツハイマー病モデルマウスでは再現が困難であった脳アミロイド血管症について、新規モデルマウスの開発とそれを用いた新たな検討を行いたい。また、遺伝性脳小血管病における最新の治療戦略としてCADASILではアドレノメデュリンを用いた治験を中心に、CARASILではmatrisome蓄積と治療戦略についてディスカッションを行う場として提案させていただく。

飯島 順子1, 立田 由里子4, 高橋 一人1, 鈴木 英明1, 武藤 優衣2, 三浦 里織1, 新堂 晃大3, 松葉 由紀夫4, 斉藤 貴志5, 川口 寧2, 西道 隆臣4, 北爪 しのぶ1 (1.福島県立医科大学, 2.東京大学, 3.三重大学, 4.理化学研究所, 5.名古屋市立大学)