The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PA

(5階ラウンジ)

Fri. Nov 7, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PA051] 動機づけにおける自律性支援と構造の実態

生徒の認知に基づいて

近藤美紗子 (大阪教育大学大学院)

Keywords:動機づけ, 自律性支援, 構造

問題と目的
教師はどうすれば児童生徒が自ら学習するようになる内発的動機づけを高められるのだろうか。
Skinner and Belmont(1993)は,教師による自律性支援(autonomy support)と構造(structure)が必要であるとした。「自律性支援」とは,子ども自身で行動を決定する自由度の量である(Skinner & Belmont,1993)。「構造」とは,望ましい教育上の結果を効果的に達成するという期待と方法について,教師が生徒に与える情報の量と明瞭さである(Jang, Reeve, & Deci,2010)。Jang, Reeve, and Deci(2010)は,自律性支援と構造の関係は相補的なものであるとした。
そこで,本研究では,生徒が自律性支援と構造をどう認知しているのかということを検討する。

方法
調査協力者:四国地方近郊の学習塾に通う高校生1~3年生の37名(男子24名,女子13名)のなかで,自律性支援の有無と自由記述がある有効回答数12名,学習構成(構造)の有無と自由記述がある有効回答数16名を対象とした。
時期:2014年3月中旬。
手続き:速水(1997)の自律性支援と学習構成(構造)を測定する質問紙を使用した。中学生時代に最もやる気の高まった先生を思い浮かべ,その先生の教室内での行動や発言についての質問項目に「1.はい」「2.いいえ」で回答してもらった。そして,具体的な内容は自由記述による回答を求めた。自律性支援の各記述のなかに,自律性支援の要素が含まれているかどうか,また,学習構成(構造)の各記述のなかに,学習構成(構造)の要素が含まれているかどうかを実験者が評定した。表1,表2には,それらの回答内容を抽出して示した。

結果と考察
まず,表1より,自律性支援が認知された回答のなかで,自律性支援と評定されたものには,生徒の立場に立った行動や発言があり,自律性支援と評定されなかったものには,学習環境の整備や問題解決方法の提供があった。自律性支援が認知されなかった回答のなかで,自律性支援と評定されなかったものには,教師主導の行動があった。
次に,表2より,学習構成(構造)が認知された回答のなかで,学習構成(構造)と評定されたものには,問題解決方法の提供,好奇心を高める教材準備,生徒の考えを聞くことがあり,学習構成(構造)と評定されなかったものには,学習への興味づけがあった。学習構成(構造)を認知しなかった回答のなかで,学習構成(構造)と評定されなかったものには,学習方略の助言や好奇心を高める教材準備がなかったことなどがあった。
以上のことから,生徒が認知する自律性支援には,問題解決方法の提供のような手段的な支援が含まれていること,構造には学習への興味づけが認知されるということがわかった。しかし,本研究はあくまでも生徒の認知に基づくものであり,教師の教授行動を教師側から検討できていない。今後は,教授行動の教師自身による認知と生徒の認知を照らし合わせて検討する必要がある。