The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PA

(5階ラウンジ)

Fri. Nov 7, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PA057] 夫婦のワーク・ライフ・バランスと家族

ライフステージごとの変化

尾形和男1, 坂西友秀2, 福田佳織3, 森下葉子4 (1.愛知教育大学, 2.埼玉大学, 3.東洋学園大学, 4.文京学院大学)

Keywords:夫婦, ワーク・ライフ・バランス, ライフステージ

【問題と目的】 妊婦・幼児・児童・中学生・高校生の各ライフステージにおいて、夫婦のワーク・ライフ・バランスが夫婦関係・家族成員のストレス・家族機能形成に及ぼす影響について分析を加える。
【方法】 調査対象:愛知と関東(埼玉・千葉・東京)の2,074 世帯(妊婦258 世帯、幼児457 世帯、児童418 世帯、中学生625 世帯、高校生315 世帯)。調査用紙:母親用1:①父親・母親の職業 ②家族構成 ③子どもの年齢と性別、を問う質問紙2:妻のワーク・ライフ・バランスを問う質問紙[尾形(2009)。夫も同じ。]3:夫婦関係を問う質問紙[諸井(1996)。夫も同じ。]4:妻のストレスを問う質問紙[清水・今栄(1981)。夫、子どもも同じ。]父親用 質問紙1~3 は母親と同様の質問紙で父親が回答。4:家機能についての質問紙[渡辺(1989)]子ども用1:子どものストレスを問う質問紙。母親用、父親用、子ども用を別々に冊子にしてまとめて同封し協力関係機関に配布し、記入後まとめて回収した。
【結果と考察】共働き家庭(1,294 世帯)を対象として、夫と妻別に因子分析(主因子法、promax回転)により構造化を図った。その結果、夫は①妻や家族との交流②仕事関与③近隣への関与④余暇時間の活用、妻は①仕事関与②夫や家族と交流③余暇時間の活用④近隣への関与、の4因子抽出された(α係数は.700~792)。夫と妻の4因子得点を基にして非階層的クラスタ分析を実施した。最終クラスタ中心に基づき4クラスタを抽出した(Figure1)。それぞれ、Ⅰ:夫婦全領域活動型、Ⅱ:夫婦家庭・仕事・余暇型、Ⅲ:夫婦不活発型、Ⅳ:夫家庭・妻家庭と仕事型とした。また、夫婦関係、ストレスについても同様に因子分析を行い、「相互理解」「相手への要望」と「とらわれ感」「不安感」の因子を抽出した。また家族機能は「結合性」「表
現性」「権威的」「民主的」の4機能を用いた。ライフステージごとに、4クラスタを独立変数、夫婦関係、家族成員のストレス、家族機能を従属変数とする一元配置分散分析を行った。その結果、夫婦関係ではライフステージを通して「夫婦不活発型」が「夫婦全領域活動型」「夫婦家庭・仕事・余暇型」「夫家庭・妻家庭と仕事型」よりも夫婦共に「相互理解」が低いことが示された。子どものストレスについては妊婦、幼児の家庭で「とらわれ感」が「夫婦家庭・仕事・余暇型」より「夫家庭・妻家庭と仕事型」が高く、幼児の家庭では「不安感」について「夫婦不活発型」が「夫婦家庭・仕事・余暇型」よりも高かった。また、家族機能については「夫婦不活発型」において各ライフステージを通して「結合性」「表現性」「民主的」の各値が低い家族機能が生じることが示された。