[PA065] 生活習慣チェックリストの活用の試みⅢ
幼児の排泄習慣における実態把握
Keywords:生活習慣 , 排泄習慣, 子育て支援
<問題と目的>
現代の幼稚園・保育所では、日常的におむつをしている子どもが珍しくなくなり、排泄習慣の遅れが指摘されているが(谷田貝2007)、はたしてどうであろうか。今回は、子どもの生活習慣の全般の調査を行った。その中でも排泄習慣について、1936年の山下の調査、2003年の谷田貝の調査結果と比較検討を行い、現代の子どもの生活習慣の実態を明らかにして、支援の一助としたい。
<方法>
調査方法:日本教育心理学会第55回総会で紹介した生活習慣チエックリスト(金谷・白石2013)を使用し、生活習慣についての実態調査を行う。
調査対象:3歳児(57名)、4歳児(73名)、5歳児(126名)の保護者に質問紙を実施。
実施時期:2013年7月~12月。
調査結果の分析:本研究の実態調査の結果のうち排泄項目に関して山下調査、谷田貝調査と比較検討を行う。
<結果と考察>
1.2013年の実態調査の結果
本研究では、排泄の生活習慣を例に、子どものおむつ離脱、粗相(おもらし)の実態を昼間と夜に分けて調べた。3歳児から4歳児にかけては昼間のおむつの離脱が進み、粗相が減少していき、5歳児になると昼夜の排泄自立は90%以上が確立されていく。しかし、5歳児に夜のおむつ使用がおり(3.2%)、排泄習慣形成で試行錯誤が繰り返されている者もいる(Figure1)。2.本調査と山下調査、谷田貝調査との比較
本研究の実態調査では、山下調査、谷田貝調査の結果と比べたところ、おむつ離脱と粗相(おもらし)の消失に遅れがみられた(Table1)。子どもの排泄自立が遅れる背景には、現代のおむつの性能の良さや、保護者の便利なツールへの依存、部屋を汚されたくない意識、時間と手間をかけてしつけることへの煩わしさがあるかもしれない。子どもの排泄習慣形成には、子どもの行動を観察し、排尿・泄便の傾向をつかみ、時間は要しても計画的に排泄誘導に取り組んでいくことが重要である。そのためには、発達段階をふまえた具体的な支援を検討していく必要がある。
<文献>
谷田貝公昭(2007)排泄の習慣の発達基準に関する研究 目白大学短期大学部研究紀要 第45号
金谷京子・白石京子・榛谷都(2013)生活習慣チェックリストの活用の試みⅡ 日本教育心理学会第55回総会論文集
現代の幼稚園・保育所では、日常的におむつをしている子どもが珍しくなくなり、排泄習慣の遅れが指摘されているが(谷田貝2007)、はたしてどうであろうか。今回は、子どもの生活習慣の全般の調査を行った。その中でも排泄習慣について、1936年の山下の調査、2003年の谷田貝の調査結果と比較検討を行い、現代の子どもの生活習慣の実態を明らかにして、支援の一助としたい。
<方法>
調査方法:日本教育心理学会第55回総会で紹介した生活習慣チエックリスト(金谷・白石2013)を使用し、生活習慣についての実態調査を行う。
調査対象:3歳児(57名)、4歳児(73名)、5歳児(126名)の保護者に質問紙を実施。
実施時期:2013年7月~12月。
調査結果の分析:本研究の実態調査の結果のうち排泄項目に関して山下調査、谷田貝調査と比較検討を行う。
<結果と考察>
1.2013年の実態調査の結果
本研究では、排泄の生活習慣を例に、子どものおむつ離脱、粗相(おもらし)の実態を昼間と夜に分けて調べた。3歳児から4歳児にかけては昼間のおむつの離脱が進み、粗相が減少していき、5歳児になると昼夜の排泄自立は90%以上が確立されていく。しかし、5歳児に夜のおむつ使用がおり(3.2%)、排泄習慣形成で試行錯誤が繰り返されている者もいる(Figure1)。2.本調査と山下調査、谷田貝調査との比較
本研究の実態調査では、山下調査、谷田貝調査の結果と比べたところ、おむつ離脱と粗相(おもらし)の消失に遅れがみられた(Table1)。子どもの排泄自立が遅れる背景には、現代のおむつの性能の良さや、保護者の便利なツールへの依存、部屋を汚されたくない意識、時間と手間をかけてしつけることへの煩わしさがあるかもしれない。子どもの排泄習慣形成には、子どもの行動を観察し、排尿・泄便の傾向をつかみ、時間は要しても計画的に排泄誘導に取り組んでいくことが重要である。そのためには、発達段階をふまえた具体的な支援を検討していく必要がある。
<文献>
谷田貝公昭(2007)排泄の習慣の発達基準に関する研究 目白大学短期大学部研究紀要 第45号
金谷京子・白石京子・榛谷都(2013)生活習慣チェックリストの活用の試みⅡ 日本教育心理学会第55回総会論文集