[PA072] 児童期の母親の養育態度と誘導方略が女子大学生の自己制御機能に与える影響
Keywords:自己制御, 養育態度, 誘導的しつけ
【目的】本研究の目的は、児童期における母親の受容的な養育態度は自己制御を誘導する言葉かけ(誘導方略)を促進し、そのような態度と言葉かけが共に子どもの自己制御機能を促進する、という仮説を検証することであった。
【方法】女子大学生314名を対象とし、児童期の母親の養育態度と母親の誘導方略、現在の自己制御機能について質問紙調査を行った。
【結果と考察】因子分析の結果、母親の養育態度については「受容」「統制」「甘やかし」「友達重視」の4因子、母親の誘導方略については「自己抑制の誘導」「自己表現の誘導」「励まし」の3因子、自己制御については「自己主張」「根気我慢」「情動抑制」の3因子が得られた。各因子に対応する尺度の信頼性を確認した。
パス解析の結果、児童期における母親の「受容」的態度は、子どもの「根気我慢」と「情動抑制」を直接高めると共に、「励まし」の言葉かけを増加させそれを介して「根気我慢」と「情動抑制」を高めていた(図1)。このような結果は基本的に仮説を支持していた。また、「甘やかし」は「情動抑制」を低下させていた。
分散分析の結果、交互作用が有意で、「受容」的態度は「根気我慢」を高めると共に、「受容」的態度が高い場合にのみ「励まし」の言葉かけが子どもの「根気我慢」を高めていた。また、「受容」的態度や「励まし」の言葉かけが多い下では、「自己表現の誘導」は子どもの「自己主張」を促進する効果を持つが、それらが少ない下では、「自己表現の誘導」はむしろ「自己主張」を低下させるということが示唆された(図2)。つまり、児童期の母親の養育態度は、子どもに対する誘導的な言葉かけに影響し、さらに誘導的な言葉かけと共に子どもの自己制御機能の発達に影響することが示唆された。(本研究は前田百合香との共同研究による。)
キーワード:自己制御、自己抑制、自己主張、言葉かけ、養育態度、誘導方略
【方法】女子大学生314名を対象とし、児童期の母親の養育態度と母親の誘導方略、現在の自己制御機能について質問紙調査を行った。
【結果と考察】因子分析の結果、母親の養育態度については「受容」「統制」「甘やかし」「友達重視」の4因子、母親の誘導方略については「自己抑制の誘導」「自己表現の誘導」「励まし」の3因子、自己制御については「自己主張」「根気我慢」「情動抑制」の3因子が得られた。各因子に対応する尺度の信頼性を確認した。
パス解析の結果、児童期における母親の「受容」的態度は、子どもの「根気我慢」と「情動抑制」を直接高めると共に、「励まし」の言葉かけを増加させそれを介して「根気我慢」と「情動抑制」を高めていた(図1)。このような結果は基本的に仮説を支持していた。また、「甘やかし」は「情動抑制」を低下させていた。
分散分析の結果、交互作用が有意で、「受容」的態度は「根気我慢」を高めると共に、「受容」的態度が高い場合にのみ「励まし」の言葉かけが子どもの「根気我慢」を高めていた。また、「受容」的態度や「励まし」の言葉かけが多い下では、「自己表現の誘導」は子どもの「自己主張」を促進する効果を持つが、それらが少ない下では、「自己表現の誘導」はむしろ「自己主張」を低下させるということが示唆された(図2)。つまり、児童期の母親の養育態度は、子どもに対する誘導的な言葉かけに影響し、さらに誘導的な言葉かけと共に子どもの自己制御機能の発達に影響することが示唆された。(本研究は前田百合香との共同研究による。)
キーワード:自己制御、自己抑制、自己主張、言葉かけ、養育態度、誘導方略