The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PB

(5階ラウンジ)

Fri. Nov 7, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 5階ラウンジ (5階)

[PB041] 特別支援教育における教員の役割に関する研究(5)

職種別の勤務校の概要・特別支援教育の実施の有無とその評価などについて

林幸範1, 石橋裕子2, 今林俊一3, 太田裕生4, 亀山洋光5 (1.こども教育宝仙大学, 2.帝京科学大学, 3.鹿児島大学, 4.NPO人間科学研究所, 5.ほーぷ株式会社)

Keywords:特別支援教育, 職種別, 教員

1.目的
林・石橋らは,特別支援教育において重要な役割を担っている養護教諭の特別支援教育に対する意識や実態,養護教諭との連携などを明確にするために全国調査を実施した。その結果,養護教諭と一般教諭との連携が,特別支援教育の成果を挙げる重要なキーワードであることなどが明確となった。そこで,平成24年度から科研費の交付を受け「特別支援教育における養護教諭とそれ以外の連携の阻害要因に関する研究」を実施してきた。本調査は,その研究の一環として実施した「教員の特別支援教育に対する調査」の速報値である。なお,本講では,調査校の概要と特別支援教育の有無とその評価について報告する。
2.方法
(1)調査時期…平成24年10月~平成25年2月。(2)調査対象…詳細は表1(公私立は層化法で抽出,国立は全校)。(3)調査方法…質問誌法・郵送法。(4)回収…詳細は表1。(5)分析…管理職(366名)・一般教諭(2,539名)・養護教諭(1,605名)別。
3.結果
(1)基本的属性…①学校種類:管理職は,幼稚園:49.2%・小学校:20.5%・中学校:15.8%・高校:10.7%。一般教員は,幼稚園:25.7%・小学校:32.7%・中学校:24.1%・高校:16.9%。養護教諭は,幼稚園:1.4%・小学校:33.3%・中学校:30.7%・高校:33.5%。②勤務地:管理職は,北海道・東北地方:19.4%・関東地方:26.0%・中部地方:17.8%・近畿地方:10.9%・中国・四国地方:13.1%・九州・沖縄地方:12.6%。一般教員は北海道・東北地方:17.6%・関東地方:32.7%・中部地方:19.7%・近畿地方:9.5%・中国・四国地方:9.5%・九州・沖縄地方:11.1%。養護教諭は,北海道・東北地方:17.2%・関東地方:22.2%・中部地方:19.5%・近畿地方:14.3%・中国・四国地方:12.0%・九州・沖縄地方:14.8%。③勤務校の規模:管理職の勤務校は,小規模校:40.7%・中規模校:33.9%・大規模校:16.9%。一般教員の勤務校は,小規模校:38.6%・中規模校:31.5%・大規模校:21.2%。養護教員の勤務校は,小規模校:31.3%・中規模校:30.7%・大規模校:27.3%。④年齢・性別:管理職は,平均54.3歳の女性46.4%,男性50.8%。一般教員は,平均41.2歳の女性63.2%,男性36.3%。養護教諭は,平均44.1歳の女性99.4%,男性0.2%。⑤教員としての経験年数:管理職は,平均29.3年,新人:8.2%・中堅:7.9%・ベテラン:79.5%。一般教員は平均16.7年,新人:24.5%・中堅:33.0%・ベテラン:41.9%・養護教諭は平均44.9年,新人:16.4%・中堅:24.8%・ベテラン:56.3%。(2)勤務校で実施している特別支援教育(文部科学省調査項目)とその評価…1.特別支援教育コーディネーターの指名:管理職:74.3%・一般教員:61.0%・養護教諭:84.7%,その人数は,管理職が平均1.2人,一般教員が平均1.4人,養護教諭が平均1.2人。その評価は管理職では,不十分:7.1%<満足:31.1%,一般教員では,不十分:11.7%<満足:27.6%,養護教諭では,不十分:19.8%<満足:49.2%。2.校内委員会の設置:管理職:63.9%・一般教員:58.6%・養護教諭:80.8%,その評価は管理職では,不十分:10.7%<満足:24.3%,一般教員では,不十分:14.8%<満足:25.5%,養護教諭では,不十分:32.5%≒満足:36.4%。3.発達障害の実態把握の実施:管理職:59.6%・一般教員:45.6%・養護教諭:60.7%,その評価は管理職では,不十分:15.0%≒満足:21.0%,一般教員では,不十分:23.1%≒満足:24.1%,養護教諭では,不十分:38.4%≒満足:34.3%。4.個別の指導計画の作成:管理職:58.2%・一般教員:54.7%・養護教諭:53.7%,その評価は管理職では,不十分:12.3%≒満足:20.5%,一般教員では,不十分:16.3%≒満足:23.5%,養護教諭では,不十分:33.2%≒満足:27.0%。5.個別の教育支援計画の策定:管理職:44.8%・一般教員:40.2%・養護教諭:47.6%,その評価は管理職では,不十分:16.4%≒満足:15.8%,一般教員では,不十分:17.6%≒満足:20.2%,養護教諭では,不十分:33.7%≒満足:25.3%。6.巡回相談員の活用:管理職:47.7%・一般教員:38.5%・養護教諭:34.0%,その評価は,管理職では,不十分:15.0%≒満足:6.8%,一般教員では,不十分:16.3%≒満足:12.4%,養護教諭では,不十分:29.8%>満足:15.8%。7.専門家チームの活用:管理職:29.5%・一般教員:19.3%・養護教諭:22.9%,その評価は,管理職では,不十分:15.8%>満足:4.4%,一般教員では,不十分:17.7%≒満足:8.0%,養護教諭では,不十分:31.5%>満足:10.1%。8.特別支援教育に関する教員研修の実施及び受講:管理職:65.3%・一般教員:50.2%・養護教諭:58.2%,その評価は,管理職では,不十分:19.1%≒満足:15.8%,一般教員では,不十分:21.0%≒満足:20.9%,養護教諭では,不十分:40.2%>満足:26.2%。
4.考察とまとめ
以上から,コーディネーターや校内員会などは設置されているのが多く,また個別の指導計画の作成などは多く策定されており,文科省の調査と同様な結果が得られている。しかしながら,それ以外となると,過半数までは,至らない項目が多く,文科省調査とは異なった結果が得られた。さらに,それらの実施項目に対して養護教諭は不満に思っている傾向が他の職種よりも多い傾向が見られる。 これらのことから,管理職は,設置や指名等の形式的なところに重きをおき,養護教諭は実際の部分に重きを置いていると言えよう。そのために,齟齬が起き,どうしても現場サイドと管理職に溝ができてしまうと言えよう。
謝辞:本調査にご協力くださった先生方には,紙面をかりてお礼申し上げます。本研究は,JSPS科研費の助成を受けて実施している「特別支援教育における養護教諭とそれ以外の教員との連携の阻害要因に関する研究」(24531268)の一環である。