The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PB

(5階ラウンジ)

Fri. Nov 7, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 5階ラウンジ (5階)

[PB067] ネガティブな情動を経験した青年が重要な他者に求めるサポートについての検討

松木太郎1, 齊藤誠一2 (1.神戸大学大学院, 2.神戸大学)

Keywords:青年期, ネガティブ・アージェンシー, 援助要請

問題と目的
思春期頃から青年期中期頃の青年は,攻撃行動,自傷行為といった衝動的な問題行動が増加しやすい時期とされる。Cyders & Smith(2008)は,衝動的問題行動が生じやすい背景要因のひとつに,思春期頃から亢進する,「怒りや悲しみといったネガティブな情動を経験した際に生じる衝動的行動に対する抑制力のなさ」を指すネガティブ・アージェンシー(negative urgency)を挙げている。思春期頃からネガティブ・アージェンシーが亢進する背景には,神経生理学的基盤の未熟さ(Weiser & Reynolds,2011)などが挙げられる。このように,神経生理学的基盤が未熟な青年が,衝動的な問題行動を起こさないためには,ネガティブな情動を経験した際に,衝動的行動の出現をコントロールする必要があるといえる。セルフ・コントロールについては,生まれ持った資質ではなく,重要な他者との関わり合いの中で育まれていくものと考えられる(藤野,2013;Pokhrel et al.,2014)。すなわち,ネガティブな情動を経験した際に,周囲の他者に対して何らかの心理的サポートを得ることは,青年の衝動的な問題行動の出現を防ぐ上で重要であるといえる。しかしながら,「ネガティブな情動を経験した際に,重要な他者に対して具体的にどのようなサポートを求めるか」については十分に検討が行われていない。そこで,本研究では,その点について明らかにする。
方法
調査対象者:近畿地方および中国地方の中学生,高校生,専門学校生51名(男性20名,女性31名,平均年齢17.73歳,MIN =14歳,MAX =19歳,SD =17.73)。
調査内容:自由記述:「とても悲しいことや,とても腹が立つことを経験したとき,あなたは家族・友人に対してどのようなサポートを求めますか?」について自由記述およびインタビュー調査で回答を求めた。心理的サポートのタイミング:「ふだん,家族や友人からのサポートは,求めた時に得られていますか」という問いに対して「求めた時に得られることはほとんどない(1点)」~「求めた時にすぐに得られる(4点)」の4件法で回答を求めた。青年版ネガティブ・アージェンシー:Whiteside & Lynam(2001)を参考に7項目を作成した。「全くあてはまらない(1点)」~「とてもよくあてはまる(5点)」の5件法で回答を求めた。
結果・考察
心理学を専攻する大学院生2名の協力の下,KJ法を援用したところ,7カテゴリーが得られた(Table1)。また,心理的サポートのタイミングとネガティブ・アージェンシーとの間に負の相関が認められた(r=-.35,p<.05)ことから,家族や友人といった重要な他者から適切なタイミングで心理的サポートを得ることで,ネガティブな情動によって引き起こされる衝動的問題行動が低減することが示唆された。