The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PB

(501)

Fri. Nov 7, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 501 (5階)

[PB079] 女子大学生における大学生活と親準備性(3)

伏見友里1, 井森澄江1, 岩治まとか2 (1.東京家政大学, 2.鶴川女子短期大学)

Keywords:女子大学生, レジリエンス, 時間的展望

目的 本報告では、女子大学生のレジリエンス尺度得点および時間的展望体験尺度得点、その年代差について検討する。また、それらがどのように関連しているのかについて取り上げる。
方法 詳細については、報告(1)参照。
1)実施方法と対象者:質問紙を配布、その場での回収を依頼し得られた、A女子大学生116名(1年生63名、4年生53名)の回答を分析対象とした。2)質問紙:本報告では、レジリエンス尺度22項目4段階評定(伏見ら,2013)、時間的展望体験尺度18項目5段階評定(白井,1994)について取り上げる。
結果
1)レジリエンス尺度:レジリエンス尺度の下位尺度(問題解決能力6項目、ソーシャルサポート6校億、自己効力感5項目、未来志向・楽観性5項目)について、各平均得点とSDを学年ごとに算出し表1に示した。
各学年の下位尺度得点およびレジリエンス全体得点には、いずれも有意な差はみられない。ただ、4年生の方がわずかではあるが数値が高い傾向がみられた。これまでの調査(伏見ら,2013)でも、年代が上がるにつれて、レジリエンス得点が少しずつ高くなるという同様な傾向がみられている。また、下位尺度の中でも『ソーシャルサポート』は全体的に高いと言えるが、なかでも4年生の数値が高いことがわかる。これは、大学生活を通して共同学習を多く経験していることや半数以上が短長期の実習を経験していることが影響していると考えられる。
2)時間的展望体験尺度:時間的展望体験尺度22項目について、各平均得点とSDを学年ごとに算出し表2に示した。
各学年の下位尺度得点は、レジリエンス尺度得点と同様にわずかながら4年生の方が高いことがわかる。1年生と4年生の間に有意な差がみられたのは、「希望」t(114)=2.292,p<.05、「過去受容」t(114)=3.641,p<.001であった。過去を受け入れ、自己の将来に希望を持つことができるということは、実習体験も含め将来について具体的なイメージをもつことができるようになったからではないかと考えられる。また、1年生の「目標指向性」が比較的高いことがわかる。これは、将来の目標を持ち大学に入学してきていることを示していると考えられる。
3)レジリエンス尺度得点と時間的展望体験尺度との関連:レジリエンス尺度得点と時間的展望体験尺度との相関係数を算出した。その結果、レジリエンス尺度と時間的展望体験尺度の全ての下位尺度において正の相関がみられた。なかでも、『ソーシャルサポート』と「希望」(r=.50,p<.01)、『未来志向・楽観性』と「過去受容」(r=.55,p<.01)、『レジリエンス全体』は、「希望」(r=.59,p<.01)「現在の充実」(r=.60,p<.01)、「過去受容」(r=.50,p<.01)に比較的強い正の相関がみられた。これにより、レジリエンスと過去・現在・未来のそれぞれが関連していることが考えられる。