The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PE

(5階ラウンジ)

Sat. Nov 8, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 5階ラウンジ (5階)

[PE015] 教師から見た児童生徒の適応を損なう人間関係の実際

越良子1, 安藤美華代2 (1.上越教育大学, 2.岡山大学)

Keywords:適応, 人間関係, 児童生徒

目 的
 学校では,児童生徒の不適応を予防するために様々な予防教育が行われている。これらの多くは児童生徒の人間関係の育成や改善を意図したものであり,教師たちが児童生徒の人間関係に問題意識をもっていることを示すものである。では「児童生徒の人間関係の問題」とは具体的にどのようなものなのか。児童生徒は,どのような適応を損ないかねない人間関係をもっているのか。本研究では,全国自治体の教育センターに対して質問紙調査を行った。
   方 法
 調査対象 全国の都道府県立・市区町村立教育センター及び教育研究所169カ所に質問紙を郵送し,74カ所から所属教師による回答を得た(回収率43.8%)。
 手続き 質問紙において,児童生徒の人間関係の問題とは具体的にどのようなことと考えるか記述を求めた。なお,この他にも質問項目があり,その結果の一部は越・安藤(2013)に報告された。
 実施時期 平成23年5月末から6月末
        結果と考察
 延べ126件の自由記述を3人の判定者によりKJ法を援用して分類し,それに基づき筆者らが上位カテゴリーを生成した(表1)。得られたカテゴリーのうち,認知の偏りや感情コントロールは自己表現や他者理解の問題と関連し,他者との表面的な関わりの背景には,自己防衛すなわち自己肯定感の不足が考えられる。児童生徒の不適応問題は,集団内の課題,個々の対人関係の課題,個人的課題,家庭等も含む環境的な課題などに渡って複合的であると考えられた。予防教育プログラムの併用の必要性,あるいは,それを実施する学級そのものの下地づくり(つまり学級経営)の重要性が示唆される。