The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

Presentation information

ポスター発表 » ポスター発表 PE

ポスター発表 PE

(5階ラウンジ)

Sat. Nov 8, 2014 1:30 PM - 3:30 PM 5階ラウンジ (5階)

[PE057] 大学生の健康な食生活を送る動機づけとソーシャル・サポートとの関連

加藤佳子1, 西敦子2 (1.神戸大学, 2.山口大学)

Keywords:食生活, 動機づけ, ソーシャルサポート

【問題】大学生は,生活の諸側面において自立がすすむ時期である。保護者から独立して生活し始める者も増え,自分で食事を準備しなくてはならない場面も増加する。しかし,大学生の食生活には乱れがあることが問題視されている。
一方,近年注目されているメタボリック・シンドロームは20歳代から徐々に増加していることが報告されている。メタボリック・シンドロームは食生活習慣と関連性が深いことも指摘されており,大学生の食生活習慣における自己管理の必要性は大きい。そこで,自己決定理論に基づき大学生の健康な食生活の動機づけに焦点をあてることとした。
また,健康行動はソーシャル・サポートと関連していることが報告されている。大学生は,食生活の自立の開始期であることから,他者からのサポートは,動機づけに特に影響していると考えた。また,人との関係性(協調性)は,内発的な動機づけに関連していることが示唆されていることから,ソーシャル・サポートも内発的動機づけに関連していると仮定した。以上の点を考慮し,本研究では大学生の健康な食生活を送る動機づけとソーシャル・サポートとの関連性について検討することとした。(図)
【方法】大学生164名、平均年齢19.4±1.2歳を対象に質問紙調査を行った。調査内容は健康な食生活を送る動機づけ(Kato et. al 2013),ソーシャル・サポート(岩佐他 2007),主観的健康感,生活習慣(徳永 2003)であった。
【結果と考察】平均値を算出し,男女差を検討したところ健康な食生活を送る動機づけについては,同一化的調整は女性の方が得点が高く,無動機は男性の方が得点が高かった。ソーシャル・サポートについては,重要な他者および友人からのサポートは女性の方が高かった。男女別に各項目間の相関係数を算出し関連性について検討した。男女ともで,主観的健康観は,内発的動機づけおよび統合的調整と正の相関が見出された。女性では,同一化的調整とは正の相関が,無動機とは負の相関もみられた。
また,ソーシャル・サポートは健康な食生活を送る動機づけと強い関連が見られた。内的動機づけについては,女性ではすべての要因間に正の相関があり,男性では重要な他者からのソーシャル・サポートと同一化的調整以外のすべての要因間に正の相関があった。外的動機づけについては,男性ではすべてのソーシャル・サポートと正の相関があったが,女性では関連のない項目があった。無動機との関連については,男性では家族からのソーシャル・サポートと負の関連があったが,女性では重要な他者と友人からのソーシャル・サポートと関連があった。
ソーシャル・サポートは健康な食生活を送る動機づけにおいて重要な要因となっている可能性が示唆された。
Kato Y. et. al 2013 Psychometric validiation of the motivation for healthy eating scale(MHES) Psychology 136-141
徳永幹雄 2003 健康度・生活習慣診断検査用紙(DIHAL.2).トーヨーフィジカル
科研費(23500945)の助成を受けた。