[PE081] 不登校経験のある高校生の学校適応とパフォーマンス活動の関連について
通信制K高校の実践から
Keywords:パフォーマンス活動, 学校適応, 不登校
【問題と目的】
我が国において,1980年後半から不登校児童生徒数の増加が,深刻な教育課題となって久しい。不登校の原因は,「学校・家庭・本人」と様々に追及されてきた,近年その原因の「多様化」「複合化」が進み,不登校問題の解決や不登校児童生徒数の減少は,この先も不透明であるといえる。内閣府(2008)の調査によると,高校進学後における不登校や中退が,ニート等社会的自立が困難な青少年の問題の背景にあるという報告もあり,問題の深刻化が伺える。筆者は,原因究明に拘泥せず,高校進学後の不登校や中退問題解消に向けての実践的アプローチの必要性を考え,「パフォーマンス活動(ダンス・芝居・インプロ・歌・ラップ・殺陣)」に焦点をあてた。本研究は,通信制K高校で,約4~5割の生徒が不登校経験をもつパフォーマンスコース(以下,パフォ)と総合進学コース(以下,総進)の出席率を学校適応の指標として,パフォーマンス活動が学校適応にどのような関連があるのかを検討する。
【キーワード】パフォーマンス活動,学校適応,不登校
【方法】
研究協力者:通信制K高校に通学する高校1年生~3年生のパフォ生徒 ’12年度:124名 ’13年度:136名,合計:260名,総進生徒 ’12年度:177名 ’13年度:155名,合計:332名,不登校経験あり群の生徒の割合: ’12年度パフォ:44.4%,総進:60.5% ’13年度パフォ:40.4%,総進:53.5%
調査期間:2012年4月~2014年3月までの2年間
手続き:パフォと総進(1年生~3年生)毎月の出席率の集計(2年間)を行う。
【結果と考察】
不登校経験なし群(以下,経験なし群)と不登校経験あり群(以下,経験あり群)では,経験なし群の出席率が高い(Figure1)。経験なし群の出席率は9・10月に多少下がったが,平均出席率においては,’12年度パフォ96.1%,総進92.8%,’13年度パフォ95%,総進93.5%と安定している。経験なし群よりも経験あり群では, 5月連休明け(6月),長期夏季休暇後(9・10月),冬季休暇後(1・2月)(以下,休暇後)に出席率が低下している(Figure2)。経験あり群の平均出席率は,’12年度パフォ92.9%,総進83.7%,’13年度パフォ93.2%,総進84.4%と,総進はパフォよりも出席率が低く,特に総進の休暇後の出席率が低下している。一方パフォで経験あり群の生徒は,休暇後も80%~90%台を保っている。2年間の継時的変化の比較から,パフォが総進より出席率は常に高く,特に経験あり群でその傾向が強くみられる。このことからパフォーマンス活動が不登校経験のある生徒の学校適応に関連があることが示唆された。
【問題と目的】
我が国において,1980年後半から不登校児童生徒数の増加が,深刻な教育課題となって久しい。不登校の原因は,「学校・家庭・本人」と様々に追及されてきた,近年その原因の「多様化」「複合化」が進み,不登校問題の解決や不登校児童生徒数の減少は,この先も不透明であるといえる。内閣府(2008)の調査によると,高校進学後における不登校や中退が,ニート等社会的自立が困難な青少年の問題の背景にあるという報告もあり,問題の深刻化が伺える。筆者は,原因究明に拘泥せず,高校進学後の不登校や中退問題解消に向けての実践的アプローチの必要性を考え,「パフォーマンス活動(ダンス・芝居・インプロ・歌・ラップ・殺陣)」に焦点をあてた。本研究は,通信制K高校で,約4~5割の生徒が不登校経験をもつパフォーマンスコース(以下,パフォ)と総合進学コース(以下,総進)の出席率を学校適応の指標として,パフォーマンス活動が学校適応にどのような関連があるのかを検討する。
【キーワード】パフォーマンス活動,学校適応,不登校
【方法】
研究協力者:通信制K高校に通学する高校1年生~3年生のパフォ生徒 ’12年度:124名 ’13年度:136名,合計:260名,総進生徒 ’12年度:177名 ’13年度:155名,合計:332名,不登校経験あり群の生徒の割合: ’12年度パフォ:44.4%,総進:60.5% ’13年度パフォ:40.4%,総進:53.5%
調査期間:2012年4月~2014年3月までの2年間
手続き:パフォと総進(1年生~3年生)毎月の出席率の集計(2年間)を行う。
【結果と考察】
不登校経験なし群(以下,経験なし群)と不登校経験あり群(以下,経験あり群)では,経験なし群の出席率が高い(Figure1)。経験なし群の出席率は9・10月に多少下がったが,平均出席率においては,’12年度パフォ96.1%,総進92.8%,’13年度パフォ95%,総進93.5%と安定している。経験なし群よりも経験あり群では, 5月連休明け(6月),長期夏季休暇後(9・10月),冬季休暇後(1・2月)(以下,休暇後)に出席率が低下している(Figure2)。経験あり群の平均出席率は,’12年度パフォ92.9%,総進83.7%,’13年度パフォ93.2%,総進84.4%と,総進はパフォよりも出席率が低く,特に総進の休暇後の出席率が低下している。一方パフォで経験あり群の生徒は,休暇後も80%~90%台を保っている。2年間の継時的変化の比較から,パフォが総進より出席率は常に高く,特に経験あり群でその傾向が強くみられる。このことからパフォーマンス活動が不登校経験のある生徒の学校適応に関連があることが示唆された。
我が国において,1980年後半から不登校児童生徒数の増加が,深刻な教育課題となって久しい。不登校の原因は,「学校・家庭・本人」と様々に追及されてきた,近年その原因の「多様化」「複合化」が進み,不登校問題の解決や不登校児童生徒数の減少は,この先も不透明であるといえる。内閣府(2008)の調査によると,高校進学後における不登校や中退が,ニート等社会的自立が困難な青少年の問題の背景にあるという報告もあり,問題の深刻化が伺える。筆者は,原因究明に拘泥せず,高校進学後の不登校や中退問題解消に向けての実践的アプローチの必要性を考え,「パフォーマンス活動(ダンス・芝居・インプロ・歌・ラップ・殺陣)」に焦点をあてた。本研究は,通信制K高校で,約4~5割の生徒が不登校経験をもつパフォーマンスコース(以下,パフォ)と総合進学コース(以下,総進)の出席率を学校適応の指標として,パフォーマンス活動が学校適応にどのような関連があるのかを検討する。
【キーワード】パフォーマンス活動,学校適応,不登校
【方法】
研究協力者:通信制K高校に通学する高校1年生~3年生のパフォ生徒 ’12年度:124名 ’13年度:136名,合計:260名,総進生徒 ’12年度:177名 ’13年度:155名,合計:332名,不登校経験あり群の生徒の割合: ’12年度パフォ:44.4%,総進:60.5% ’13年度パフォ:40.4%,総進:53.5%
調査期間:2012年4月~2014年3月までの2年間
手続き:パフォと総進(1年生~3年生)毎月の出席率の集計(2年間)を行う。
【結果と考察】
不登校経験なし群(以下,経験なし群)と不登校経験あり群(以下,経験あり群)では,経験なし群の出席率が高い(Figure1)。経験なし群の出席率は9・10月に多少下がったが,平均出席率においては,’12年度パフォ96.1%,総進92.8%,’13年度パフォ95%,総進93.5%と安定している。経験なし群よりも経験あり群では, 5月連休明け(6月),長期夏季休暇後(9・10月),冬季休暇後(1・2月)(以下,休暇後)に出席率が低下している(Figure2)。経験あり群の平均出席率は,’12年度パフォ92.9%,総進83.7%,’13年度パフォ93.2%,総進84.4%と,総進はパフォよりも出席率が低く,特に総進の休暇後の出席率が低下している。一方パフォで経験あり群の生徒は,休暇後も80%~90%台を保っている。2年間の継時的変化の比較から,パフォが総進より出席率は常に高く,特に経験あり群でその傾向が強くみられる。このことからパフォーマンス活動が不登校経験のある生徒の学校適応に関連があることが示唆された。
【問題と目的】
我が国において,1980年後半から不登校児童生徒数の増加が,深刻な教育課題となって久しい。不登校の原因は,「学校・家庭・本人」と様々に追及されてきた,近年その原因の「多様化」「複合化」が進み,不登校問題の解決や不登校児童生徒数の減少は,この先も不透明であるといえる。内閣府(2008)の調査によると,高校進学後における不登校や中退が,ニート等社会的自立が困難な青少年の問題の背景にあるという報告もあり,問題の深刻化が伺える。筆者は,原因究明に拘泥せず,高校進学後の不登校や中退問題解消に向けての実践的アプローチの必要性を考え,「パフォーマンス活動(ダンス・芝居・インプロ・歌・ラップ・殺陣)」に焦点をあてた。本研究は,通信制K高校で,約4~5割の生徒が不登校経験をもつパフォーマンスコース(以下,パフォ)と総合進学コース(以下,総進)の出席率を学校適応の指標として,パフォーマンス活動が学校適応にどのような関連があるのかを検討する。
【キーワード】パフォーマンス活動,学校適応,不登校
【方法】
研究協力者:通信制K高校に通学する高校1年生~3年生のパフォ生徒 ’12年度:124名 ’13年度:136名,合計:260名,総進生徒 ’12年度:177名 ’13年度:155名,合計:332名,不登校経験あり群の生徒の割合: ’12年度パフォ:44.4%,総進:60.5% ’13年度パフォ:40.4%,総進:53.5%
調査期間:2012年4月~2014年3月までの2年間
手続き:パフォと総進(1年生~3年生)毎月の出席率の集計(2年間)を行う。
【結果と考察】
不登校経験なし群(以下,経験なし群)と不登校経験あり群(以下,経験あり群)では,経験なし群の出席率が高い(Figure1)。経験なし群の出席率は9・10月に多少下がったが,平均出席率においては,’12年度パフォ96.1%,総進92.8%,’13年度パフォ95%,総進93.5%と安定している。経験なし群よりも経験あり群では, 5月連休明け(6月),長期夏季休暇後(9・10月),冬季休暇後(1・2月)(以下,休暇後)に出席率が低下している(Figure2)。経験あり群の平均出席率は,’12年度パフォ92.9%,総進83.7%,’13年度パフォ93.2%,総進84.4%と,総進はパフォよりも出席率が低く,特に総進の休暇後の出席率が低下している。一方パフォで経験あり群の生徒は,休暇後も80%~90%台を保っている。2年間の継時的変化の比較から,パフォが総進より出席率は常に高く,特に経験あり群でその傾向が強くみられる。このことからパフォーマンス活動が不登校経験のある生徒の学校適応に関連があることが示唆された。