The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG

(5階ラウンジ)

Sun. Nov 9, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PG032] 資格取得を目指す学生の精神的健康度

保育・看護・スポーツ専攻生の場合

上野奈初美1, 上原明子2 (1.小田原短期大学, 2.甲南女子大学)

Keywords:精神的健康度, 大学生, 資格取得

【目的】
近年,学生の精神的健康度およびその態様を教員が把握する必要性が高まっている。特に資格取得を目指す学部(学科)は過密なカリキュラム,複数回の学外実習にのぞむことなど,より多くのストレスにさらされることが予測される。本研究は,資格取得を目指す学生に特徴的な精神的健康状態を把握し,今後の支援のための一助とすることを目的とした。
【方法】
A保育系短大1年生94名,B看護系学部1年生92名,Cスポーツ系学部1年生54名を対象に,精神的健康パターン診断検査(MHP.1)を実施した。調査は入学9ヶ月後の2013年1月に行った。質問項目は40項目であり,ストレス度は「こだわり,注意散漫,対人回避,対人緊張,疲労,睡眠・起床障害」の6尺度,生きがい度は「生活満足,生活意欲」の2尺度で構成されている。ストレスの最も低い回答に1点,程度が高くなるにしたがい順次2点から4点となる。生きがい度については質問が肯定文のため得点が高い方が生きがい度が高いことを意味している。
各学部別の平均値と標準偏差を集計し,学部間の平均値の差に多重比較検定Tukey HSDを適用した。統計解析はIBM SPSS Statistics22を使用し,検定の有意水準は5%とした。
【結果および考察】
表1に学部別の集計結果を示した。6つのストレス尺度の中で「注意散漫」は,保育10.4±3.2(平均値±標準偏差,以下同様),看護11.6±2.9,スポーツ9.4±3.3と看護が保育,スポーツと比較して有意に平均値が高かった。集中力や頑張って物事に取り組む「注意散漫」に関するストレス得点が看護専攻生が保育やスポーツ専攻生と比べて有意に高いことは医療専門職としての資格を目指す看護学生の多忙さおよびさまざまな要因が背景にあると考えられ,さらに詳細な調査が必要と思われる。また,「生活満足」については,保育13.1±3.5,看護11.5±3.0,スポーツ12.2±3.3と保育が看護より有意に平均値が高かった。この結果から,看護学生は保育を専攻する学生と比べて日々の生活での満足感や精神的なゆとりも少ないことが明らかとなった。