The 56th meeting of the Japanese association of educational psychology

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ポスター発表 PG

(5階ラウンジ)

Sun. Nov 9, 2014 10:00 AM - 12:00 PM 5階ラウンジ (5階)

[PG070] 日本人小学生における読書量,読書に関する意識,および言語力の関連(2)

読書への動機づけに関する検討

小山内秀和1, 塩谷京子2, 上田紋佳3, 猪原敬介4 (1.京都大学, 2.関西大学, 3.日本心理学諸学会連合, 4.電気通信大学)

Keywords:読書, 動機づけ, 図書貸出数

目 的
近年,子どもの読書量が言語力の発達と関連することが指摘されている(Mol & Bus, 2011)。この,読書量など読書活動に関連する心理的要因として読書への動機づけ(reading motivation)が挙げられる。これまでに,読書への動機づけは自由記述や質問紙などさまざまな方法で測定され(Greaney & Neuman, 1990; Wigfield & Guthrie, 1997),読書量や言語能力との関連が検討されている(Schaffner et al., 2013; Schiefele et al., 2012)。しかしながら,日本人を対象とした読書の動機づけと読書活動との関連の検討はあまり行われていない。そこで本研究では,小学生を対象に読書の動機づけの調査を行い,読書量や読書活動との関連を検討する。
方 法
調査参加者 上田他(2014)と同様,近畿地方の私立大学の付属小学校の1年生から6年生の計371名(女児196名,男児175名)が調査に参加した。
読書の動機づけ項目 先行研究(Greaney & Neuman, 1990; Wigfield & Guthrie, 1997; Watkins & Coffey, 2004)などを元に,読書の動機づけを記述する8項目を作成した(各項目は表1を参照)。
他の課題 読書量を問う指標として主観的な読書頻度(上田他, 2014),図書貸出数を,読書に関する態度の指標として読書への意欲,意義,読書行動の積極性,読書に関する悩みを問う項目などを含めた。
結 果
まず,動機づけ項目群の背後にある潜在変数を検討するため探索的因子分析を行ったところ,固有値は3.46,1.15,0.78…となり,1因子構造である可能性が示唆された。固有値1を基準とした2因子解でも解釈可能な因子構造となったが,本報告では各項目の内容
に注目するため,項目ごとの分析を行った。
次に,読書に関する態度について尋ねた4項目と動機づけの項目との関連を検討するためSpearmanの相関係数を算出した(表2)。その結果,いずれの項目とも有意な相関を示したが,項目1,2,7など読書への内発的動機づけが高いほど読書への意欲が高く,行動的で,読書に関する悩みが少ないことが示された。
さらに,各学年の動機づけ得点と学校での図書貸出数との関連を検討した(表2)。その結果,有意となった相関は少なかったが,項目2や7は学年が上がるにつれて相関係数が高くなる傾向がみられる一方,項目4は5年生において有意な負の相関を示した。以上の結果を総合すると,学年が上がるにつれて内発的動機づけが読書量に関連するようになる一方,他者からの賞賛などの外発的動機づけの高さはむしろ読書量を下げる傾向にあることが推測された。
考 察
本研究の結果から,小学校高学年になるにつれて,読書への動機づけが読書行動や読書量に関連する可能性が考えられる。今後は,さらに大きなサンプルに対する調査や縦断調査などによって,を動機づけと読書行動の因果関係を明らかにしていくことが重要である。