日本教育心理学会第56回総会

講演情報

準備委員会企画基調講演 » 準備委員会企画基調講演1

学びと発達をパフォーマンスする

成長のための学校

2014年11月7日(金) 16:00 〜 18:30 1階メインホール (1階)

[kicho01] 学びと発達をパフォーマンスする

成長のための学校

Lois Holzman1, 森岡正芳2, 當眞千賀子3 (1.East Side Institute for Group and Short Term Psychotherapy:集団・短期心理療法イーストサイド研究所, 2.神戸大学, 3.九州大学)

【企画趣旨】
ロイス・ホルツマンは,現在ニューヨークで,集団・短期心理療法イーストサイド研究所を主宰し,即興パフォーマンスを中核とする独自の社会療法を実践し,心理社会支援に関わる多くの臨床実践者を育成している。一昨年初来日し,その講演とワークショップは心理学の実践領域に多大な反響を巻き起こした。この講演では,学習はそのまま発達であるというホルツマン独自の観点を紹介し,心理教育実践の未来の方向性を示す『パフォーマンス心理学』の形成について,共に探っていきたい。
【講師紹介】
1977年言語発達心理学で学位を取得し(Colombia University),言語発達・学習の生態学的研究から研究を始めたホルツマンは,マイケル・コールらとともに,ヴィゴツキー理論を生態学的言語発達研究と融合させる形で研究を進め,LD児に関する一連の生態学的研究を発表している。以上の研究を基盤に,ニューヨークハーレム地区にBarbara Taylor Schoolという実験学校を創設し,貧困,人種差別,エイズ等の様々な問題を抱える子どもたちを対象に,地域コミュニティのリーダー育成を目指して実践的研究が行われた。さまざまな心の問題を社会的な状況と関連づけ,コミュニティの構築を目指す社会療法と名づけられる独特の社会的臨床活動を積極的に行っている。2001年より毎年行われている「世界をパフォーマンスする」(Performing the World)は,市民参加型の多文化,多領域の学問と実践交流協働の場となり,国際的に大きな影響を与えつつある。
【主な著書】
Holzman, L. (2009). Vygotsky at work and play. London and New York:Routledge.
Holzman, L. and Mendez,R. (Eds.), (2003).Psychological investigations:A clinician’s
guide to social therapy. New York:Brunner-Routledge.
Holzman, L. and Morss, J. (Eds.), (2000). Postmodern psychologies, societal practice
and political life. New York:Routledge.
Holzman, L. (Ed.), (1999). Performing psychology:A postmodern culture of the mind.
New York:Routledge.
Holzman, L. (1997). Schools for growth:Radical alternatives to current educational
models. Mahwah, NJ:Lawrence Erlbaum.