The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PA(01-83)

ポスター発表 PA(01-83)

Sat. Oct 7, 2017 10:00 AM - 12:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

10:00 AM - 12:00 PM

[PA20] 教育脳の探求

教わって学ぶときの脳活動を個体学習と観察学習の時と比較する

安藤寿康1, 染谷芳明#2 (1.慶應義塾大学, 2.慶應義塾大学)

Keywords:教育学習, fMRI, 個体学習

問   題
 「教育による学習」(以下「教育学習」と)は,学習者が指示・説明・評価など他者からの利他的介入をてがかりに行う社会学習である。ヒト以外の動物は,学習者が他個体とは独立に独力で行う「個体学習」,あるいは(利他的介入ではない)他者の行動を観察し模倣する「観察学習」がもっぱらであり,教育学習が生ずるのは極めてまれである(Thornton & Raihani, 2013; Kleine, 2015)ことから,この学習様式の成立は何らかの進化的・生物学的基盤を持つと考えられる(Ando, 2009; Ando, 2016)。
 本研究は,その生物学的基盤の可能性のうち,特に脳神経活動において,教育学習が個体学習や観察学習とどのように異なるかを明らかにすることを目的とする。ここでは指運動の系列学習パラダイムにより,機能的画像法(以下fMRI)を用いてこれら3学習様式を比較した。
方   法
 親指を除く4指の上下の異なる組み合わせ4パターンの系列(Figure 1)を記憶再生する課題を,個体学習,観察学習,教育学習の三種類の学習様式で実行しているときの脳活動を3TのfMRI(Magnetom Trio, A Tim system, Siemens)で記録する。
 対象者は健康な右利きの大学生15人(男子7人,女子8人)である。
 個体学習では,4パターンの画像を,被験者自身が1パターンずつ自身のペースでボタン操作で提示し,系列として記憶・再生を40秒の間繰り返す。                                 
 観察学習では,Figure 1の一対の手の右図を「教師」,左図を「学習者」とし,教師の例示を学習者が模倣する様子を40sec間,観察しながら模倣する。
 教育学習ではFigure 1の一対の手の右図を「教師」として,実験者が任意のペースで提示したものを記憶再生する。その遂行に対し,教師が評価値をアナログスケール上で提示する(4回繰り返し)。
 これら3条件の学習後,20sec無遂行で保持し,再生テストを行う。
結果と考察
 SPMの1st-level(Height threshold T=3.111 p<0.001 uncorrected)での分析の結果のうち,学習フェーズと再生テストフェーズをFigure 2,3示す。
学習フェーズでは,3学習条件に共通して,運動前野,補足運動野が活動した。再生フェーズの観察学習,および教育学習では心の理論に関わるBA44やTPJ,実行機能をつかさどる外側前頭前野が活動し,観察学習で特に広い範囲での活動が認められた