The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PA(01-83)

ポスター発表 PA(01-83)

Sat. Oct 7, 2017 10:00 AM - 12:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

10:00 AM - 12:00 PM

[PA69] 中学生のストレス反応と教師による支援との関連

大学生との比較から

今村慎吾1, 関山徹2 (1.鹿児島市立皇徳寺中学校, 2.鹿児島大学)

Keywords:レジリエンス, ソーシャルサポート, ストレスコーピング

問題と目的
 ストレス反応やレジリエンス要因,ソーシャルサポート源・ソーシャルサポート種が成長段階によって示す傾向(共通性や相違性)を大学生との比較から明らかにして,中学生のストレス軽減に対する教師の介入のあり方を検討することを目的とした。
方   法
対象者 A県の公立中学校2校の1~3年生計647名(男子324名・女子323名),大学生2~4年生計140名(男子72名・女子68名)
調査時期 中学校A校は2016年3月,中学校B校は2016年10月に実施。大学生の調査は2017年1月に実施。
質問紙
1.「中学生用ストレス反応尺度」(岡安ら,1992)の短縮版16項目(4件法)
2.「二次元レジリエンス要因尺度」(平野,2010)より各因子の因子負荷量最下位の1項目を除いた各2項目計14項目(4件法)
3.3つのサポート源(家族・先生・友人)に対して,「学生用ソーシャル・サポート尺度」(久田ら,1989)の中学生版から岡安ら(1993)が機能的な面から分類した情緒的サポート12項目から抜粋して4項目にした計8項目。(4件法)
4.中学生用対人ストレスコーピング尺度(鴛渕,2009)の計23項目(4件法,大学生のみ)
結果と考察
 比較の結果をTable1に示した。結果から教師の介入のあり方を2つの視点に集約できるといえよう。一つ目の視点は「外的資源をいかに引き出し,活用するか」と いう視点である。中学生段階では「資質的要因」や外的要因であるソーシャルサポートに頼ってストレッサーに対処している傾向がみられた。それゆえに,未成熟な中学生の段階にあっては外的資源との関わりがストレッサーに対処していく上で重要なカギを握るものと考えられる。
 二つ目の視点は「後天的な要因をいかに獲得させるか」という視点である。ストレス反応は成長に伴って外側に向けられる反応から内側に向けられる反応へと変化する。そこで,成長の過程で獲得される「後天的な要因」がストレッサー対処のカギとなると考えられる。そこに教師の介入の余地があるとするならば,教師が意図的に「援助要請」や「積極的対処」型のコーピングの活用を促進する取組や環境づくりを進めていくことが中学生のストレス軽減に寄与すると考えられよう。