The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PB(01-83)

ポスター発表 PB(01-83)

Sat. Oct 7, 2017 1:00 PM - 3:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

1:00 PM - 3:00 PM

[PB24] 映像資料のノートテイキングにおけるワーキングメモリの影響(2)

中村光伴 (熊本学園大学)

Keywords:ノートテイキング, ワーキングメモリ

 講義時や映像による学習時,私たちはノートテイキングを行い,視覚情報だけでなく,音声情報を統合し,内容の記憶・理解を行っている。中村・岸(2012教育心理学会総会発表済)では,ワーキングメモリ容量の高い者は,視覚情報に加え,音声情報を聞きながら要点などをまとめ,内容理解が促進されると示唆された。しかし,ノートテイキングに関するスキルは一度のみの教示では変動しにくいとの指摘もあった。そこで,ノートテイキングを得意としない者に,ノートテイキングに関する教示を繰り返し行ない,ワーキングメモリ容量の高低が映像資料の内容理解とノートテイキングに及ぼす影響について検討する。
方   法
実験協力者:大学生45名
実験材料:予備調査の映像資料として,「情報の達人 第2巻 ゼミ発表をしよう!(紀伊国屋書店)」の「1.情報リテラシーの意義」と「2.情報を探し出す仕組み-情報の検索と収集(1)」を用いた。本実験の映像資料「情報の達人 第3巻 レポート・論文を書こう!(紀伊国屋書店)」の「1.レポート・論文の作成手順」と「2.テーマの選択(ステップ1)」を用いた。これらは,中村・岸(2012)と同様である。内容はレポート・論文の作成手順と方法について解説するものであり,協力者はいずれの映像資料も初見であった。
リスニングスパンテスト(LST):根本(2009)が作成したLST課題を使用した。課題文の長さは20~30文字程度であり,課題文は2~5文ごとに1セットにまとめられ,各文章には関連性はない。
手続き:予備調査:映像資料の学習:学習時,通常行っている方略でノートテイキングを実施した(15分)。このノートを得点化し,平均点以下の22名に本実験へ協力してもらった。
本実験:①ノートテイキングに関する教示:協力者(22名)には,ノートの作成法に関する教示を行ない,再度,予備調査の映像資料を参照させ,ノートテイクを行った。一連の活動を,日にちを変え,2回実施した。②LSTの実施(30分)③映像資料の学習:学習時にノートテイキングを実施した(15分)。④理解度テスト:映像資料に関する内容理解度テストを実施した(15分)。
結果と考察
結果の処理:LSTの得点化は齋藤・三宅(2000)にしたがい,総正再生数を得点として算出した。LST得点平均点よりも高い者をLST高群(11名),低い者をLST低群(11名)とした。また,映像資料学習時に作成したノートは得点化を行った(10項目20点満点:2名による合議)。内容理解度テストは穴埋めによる再生14問とまとめに関する記述2問であった(計20点満点)。
ノートテイキングに及ぼす影響:映像教材学習時に作成されたノートの得点については,LSTの高低による有意差は見られず,ワーキングメモリ容量の差異によるノートテイキングへの影響はみられなかった。
映像資料の内容理解に及ぼす影響:内容理解度テストの得点について,2要因分散分析(ノート高・低×LST高・低)をおこなった結果,LST要因においてのみ主効果がみられ,高群の方が理解度テストの得点が高かった。LST低群にとってノート作成の負荷が高かったためと考えられる。