The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PB(01-83)

ポスター発表 PB(01-83)

Sat. Oct 7, 2017 1:00 PM - 3:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

1:00 PM - 3:00 PM

[PB79] 大学における初年次合宿研修に参加した新入生の研修効果について

2016年度帝京大学教育学部初等教育学科初等教育コースの場合

星田由哉1, 藤井真紀2, 山村豊3 (1.立正大学大学院, 2.多摩市立愛和小学校, 3.帝京大学)

Keywords:初年次教育, 合宿研修, 効果測定

目   的
 我が国の大学では,初年次教育において,現在,合宿形式での研修を実施しているところが多くなりつつある。帝京大学教育学部初等教育学科初等教育コースにおいても,2012年度以来実施している。ただし,このような合宿研修が目的を達成しているか,あるいは合宿研修が新入生にどのように影響を与えているかについて,実証的に検討されている例は少ないようである。そこで,本研究では,2016年度の当該合宿研修において,「教育学部初等教育学科初等教育コースの全ての新入生が,より良い大学生活をスタートできるようにする」,「教育学部及び初等教育学科初等教育コースで学ぶ意義について考え,より良い学生生活を送るための知見を得る」,「クラス内及びコース内の学生相互の交流を深めると同時に教員との親睦を図り,人間関係構築に貢献できるようにする」の3つの目的が,どの程度達成されたかを検討する。

方   法
合宿研修の内容 合宿研修は2016年5月21日~22日の1泊2日で山梨県西湖近くのホテルにて実施した。1日目は研修Ⅰとして大学生活に関してのワークショップ,研修Ⅱとして新入生の交流を図るアイスブレイクを実施した。2日目は研修Ⅲとしてスタンプラリーと昼食作りを行った。
調査対象者 調査対象は,2016年度新入生合宿研修に参加した帝京大学教育学部初等教育学科初等教育コースの1年生171名であった。そのうち有効回答数は155件であった。
調査日時 合宿日程2日目の研修Ⅲが終了したのち,合宿施設内の体育館にて,自記式集合形式で実施した。質問紙の実施に要した時間は約10~15分程度であった。
質問紙 山村・成家(2014)で実施したアンケートの質問項目4件法31項目を用いた(以下「効果調査」)。合宿研修における課題・活動に対して参加新入生が感じた意義,参加態度,感想についての質問項目は,当該合宿研修の内容にもとづいて4件法14項目を作成した(以下「課題調査」)。

結果と考察
効果調査の因子分析 効果調査の質問項目について因子分析(最尤法・Promax回転)を行ったところ,第1因子「仲間関係と居心地の良さ(仲間関係)」,第2因子「今後の学生生活と卒業後の展望(将来展望)」,第3因子「教員・上級生との交流(上級生交流)」が抽出された。
課題調査のクラスター分析 課題調査の14項目に対してクラスター分析(Ward法・平方ユークリッド距離)を行ったところ,3つの研修に対応するクラスターに分類された。
研修課題が研修効果に及ぼす影響 研修課題とその活動が,合宿研修の効果にどの程度寄与したかについて検討するため,効果調査の3因子の下位尺度得点を目的(従属)変数,課題調査の3つのクラスター得点を予測(独立)変数とする強制投入法による重回帰分析を行った(Figure 1)。その結果,3つの重回帰分析の決定係数(R 2)はやや低いものの,回帰式の有意性を示す分散分析は0.1%以下で有意であったことから,当該合宿研修の内容が合宿研修の目的に寄与したことが示唆される。さらに標準偏回帰係数(β)をみると,効果調査の第1因子(仲間関係)に対しては第3クラスター(研修Ⅲ)と第2クラスター(研修Ⅱ)が同程度高く(β=+.32, β=+.31),第2因子(将来展望)に対しては第1クラスター(研修Ⅰ)が最も高く(β=+.28),第3因子(上級生交流)に対しては第2クラスター(研修Ⅱ)が最も高かった(β=+.30)。

文   献
山村豊・成家篤史 2014 初年次教育における合宿研修の効果に関する調査的研究. 帝京大学教育学部紀要第2号. pp.217-230.