The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PC(01-83)

ポスター発表 PC(01-83)

Sat. Oct 7, 2017 3:30 PM - 5:30 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

3:30 PM - 5:30 PM

[PC02] 現代の若者の価値観と生活満足度

南学 (三重大学)

Keywords:若者の幸福感, 生活満足度

問   題
 現代の若者にとって,日本の状況は決して恵まれたものとはいえず,明るい未来も描きにくいと考えられる。にもかかわらず,彼らの生活満足度が高いことが社会学を中心に大きな関心となっている(古市,2011)。
 古市(2011)は,若者は,将来に希望がもてないがゆえに,現状に満足しているという逆説的な幸福感の仮説を提唱している。この点に関して,南(2014)は,大学生の幸福に対する価値観と幸福感の関係について検証し,将来に無関心な「現状満足」群の若者が必ずしも主観的幸福感が高いとはいえないことを示した。また,南(2016)は,周囲の友人との良好な関係を維持することで幸福感を高めているという仮説(古市,2013)についても必ずしも高い幸福感につながらないことを示した。この結果から,古市(2011;2013)の仮説は実証的には支持されないといえる。
 ところで,古市(2011)をはじめとする社会学の研究では,「幸福」を論じながらも「生活満足度」を指標とすることが多い。指標の点から南(2014;2016)の結果との乖離を解釈することが可能である。そこで,本研究では大学生の幸福に対する価値観と生活満足度,主観的幸福感について検討をおこなう。
 幸福に対する価値観として,浅野・五十嵐・塚本(2014)は,自己の心地よさと自分自身を最大限に活かすことを追求する動機づけの観点から日本版HEMA尺度を作成しており,本研究では,これを用いることとする。また,生活満足度に関しては鈴木(2002)の生活満足感尺度を,主観的幸福感については曽我部・本村(2010)の主観的幸福感尺度を用いて測定する。
方   法
調査参加者 大学生120名。
質問紙の構成・手続き 日本版HEMA尺度(浅野・五十嵐・塚本,2014),生活満足感尺度(鈴木,2002),主観的幸福感尺度(曽我部・本村,2010)。
 授業時に質問紙を配布し,回収した。
結果・考察
 各尺度間の相関を表1に示した。「幸福追求」と「喜び追求」は,「全般的生活満足感」と正の相関を示した。当日は,他の分析を含め,仮説を検討する。