The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

Presentation information

ポスター発表 PD(01-83)

ポスター発表 PD(01-83)

Sun. Oct 8, 2017 10:00 AM - 12:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

10:00 AM - 12:00 PM

[PD07] 保育所における園内会議と保育士の効力感・ストレスの関連

大内善広1, 野澤義隆2, 萩原康仁3 (1.城西国際大学, 2.立正大学, 3.国立教育政策研究所)

Keywords:園内会議, 効力感, ストレス

目   的
 近年の保育士に期待される職務は多様化しており,保育所内の保育士の連携の重要性が増していると考えられる。連携のためには,日頃からのコミュニケーションや職員間での会議 (以下,園内会議)が大切であり,これにより自信を持ち保育や保護者支援を行えるようになることが期待できる。一方で,保育士の負担やストレスの増加が問題視されており,会議を行うことによる負担の増加も懸念される。本研究では,園内会議に着目し,その回数や時間が会議に対する認識にどのように影響し,保育に関する効力感やストレスに繋がっているのかについて検討する。
方   法
調査方法 調査は2013年7月から8月にかけてX県内の保育所を対象に行われた。各保育所の以上児クラスと未満児クラスの1クラスずつを対象に当該クラス担当保育士に対して質問紙の配布・回収した。117箇所の保育所より保育士707件の有効なデータが得られた。
調査項目 月の園内会議回数および1回の園内会議時間について回答を求めた上で,以下の内容について5件法にて回答を求めた。
園内会議に関する認識:保育への役立ち感,保護者対応への役立ち感,負担感,必要性の認識についてそれぞれ1項目で質問した。
効力感:日常の保育,保護者対応に関する効力感についてそれぞれ3項目で質問した。
ストレス:職場の人間関係,保護者対応,多忙さに関するストレスついてそれぞれ3項目で質問した。
結果と考察
 Figure1のモデルについて,データの階層構造(保育所によるクラスタリング)を考慮した構造方程式モデルにより分析を行った。適合度は,CFI=.944,RMSEA=.051,SRMR=.068であった。
 分析の結果,園内会議の回数や時間が多いほど,園内会議に関する認識にネガティブな影響を与える傾向が示された。また,園内会議の役立ち感は効力感に影響を与え,特に保護者対応効力感が高いほど保護者対応のストレスが低い傾向が見られた。さらに,園内会議の必要性の認識が高いほどストレスが低い傾向も示された。一方で,園内会議への負担感が強いほどストレスが高い傾向が見られた。以上から,回数や時間をかけない園内会議が望まれており,園内会議の必要性を感じ役立っていると感じているほど効力感が高く,ストレスが軽減することが示唆された。