The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PD(01-83)

ポスター発表 PD(01-83)

Sun. Oct 8, 2017 10:00 AM - 12:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

10:00 AM - 12:00 PM

[PD58] 神戸大学心理教育相談室における実習の意義について②

実習内容と習得内容の影響から

相澤直樹1, 山根隆宏2 (1.神戸大学, 2.神戸大学大学院)

Keywords:心理教育相談室, 臨床心理実習, 修了生

問題と目的
 臨床心理士の養成にあたっては,臨床心理査定,臨床心理面接,臨床心理地域援助等に関する高度の専門性の獲得が求められる。その中で,学内に設置された心理教育相談室(心理相談センター等)における面接担当や心理検査担当を主とする実習は中心的な位置を占めるものといえる。臨床心理実習の在り方や効果については,これまでいくつかの研究で検討がなされてきた(伊藤ら,2001; 良原ら, 2010)。一方,発表者らが所属する同研究科附属発達支援インスティテュート心理教育相談室も,活動開始以来15年を経てこれまでに比較的活発な実習活動を展開してきた(相澤ら,2016)。本研究では,本学研究科臨床心理学コースに在籍し心理教育室での学内実習,ならびに学外実習を受けて修了した修了生を対象にアンケート調査を実施し,修了後の現場体験に照らした実習の意義,効果を検討した。
方   法
1)調査対象と調査期間 調査対象は,平成14年度以降に修了した修了生のうち48名(男性5名,女性43名)。調査期間は平成29年1月~2月。調査は郵送とメールにより実施された。また,同時期に一部文言を修正したものを在学生21名(男性2名,女性19名)にも実施した。
2)調査内容 以下の内容を問う質問項目を実施した。①現場での仕事に対する実習全体の貢献度(5項目5段階評定),②実習内容ごとの貢献度(17項目5段階評定),③鹿児島大学・九州大学(2008)を参考に作成した実習による習得程度(24項目5段階評定),⑤良原ら(2010)による実習効果の促進要因,④波多野(1993)を参考に作成した心理職の職業的アイデンティティ尺度,⑤希望する実習内容に関する自由記述。
結果と考察
 実習全体の貢献度尺度,職業的アイデンティティ尺度の総得点を算出した。また,実習内容貢献度の尺度をその内容から4下位尺度(面接等担当,SV・検討会,学外実習,その他),習得程度の尺度も同様に4下位尺度(臨床実践の基礎,他職種との連携,専門家としての社会性,アセスメント)に分けてそれぞれ得点化した。以上の得点間の相関係数を算出した(Table1, Table2)
 各実習内容の貢献度は,実習全体の貢献度と,ならびに職業的アイデンティティと中程度から強い正の相関を示した。特にSV・検討会の貢献度が全体の貢献度に強く関連していた。職業的アイデンティティについては,面接等の担当の貢献度が大きく関与していた。習得内容についてもおおむね中程度の正の相関が得られた。その中でも基礎とアセスメントの習得度が強い関連を示した。
引用文献
伊藤直文他(2001). 心理臨床実習の現状と課題 心理臨床学研究, 19, 47-59.
良原誠崇他(2010). 臨床心理実習の実態と実習効果の促進に関する一考察--大学院と臨床心理士のアンケート調査から 心理臨床学研究 ,28,595-606.
相澤直樹他(2016) 心理教育相談室の相談支援活動と社会貢献:10年間の活動を振り返って 神戸大学大学院人間発達環境学研究科発達支援インスティテュート心理教育相談室紀要,6 ,1-9.
波多野便子(1993). 看護学生および看護婦の職業的アイデンティティの変化 日本看護研究学会雑誌, 16, 21-28.
*本研究は,平成28年度神戸大学大学院人間発達環境学研究科プロジェクト研究支援経費による補助を受けて行われた。