10:00 〜 12:00
[PD70] 教学IRと教育ビッグデータを統合した学生支援モデルの考案
多次元パターンモデルのプロトタイプ開発
キーワード:教学IR, 教育ビッグデータ, 学生支援モデル
はじめに
近年,ICTの発展により教育ビッグデータの利活用が注目を浴びている。海外ではいち早く教育ビッグデータに対するラーニングアナリティクス(以下,LA)の研究と実践が行われ,国内においてもその必要性が急速に認識されつつある(近藤,2016)。緒方ら(2016)は,学習管理システム,eポートフォリオシステム,電子教材システムの学習履歴データを統合した教育ビッグデータを構築・分析している。一方,大学IR(大学の意志決定を支援するための情報収集やデータ分析活動)の中でも教学部門に特化した教学IRも急速に普及しつつある(高橋,2014)。これら2つの研究分野に対し,船守(2014)は,教学IRで扱うマクロデータ(学務情報等)とLAで扱うミクロデータ(学習履歴等)を組み合わせた精緻な教学IRの必要性を指摘している。さらに,学習支援を行うにあたり,マクロ・ミクロの両データをどのようなバランスで組み合わせるかの課題はあるが,多様なデータを組み合わせて新しい知見が得られることに期待がかけられているとしている(船守,2014)。
目 的
本研究は,教学IRと教育ビッグデータを統合した学生支援モデルのプロトタイプを開発することが目的である。具体的には,教学IRで扱う学務情報等と教育ビッグデータで扱う学習履歴等を統合し,投入変数を学習・生活・キャリアの3つの支援カテゴリーに分類する。さらに,各カテゴリー内外の投入変数を組み合せた多次元パターンを持つ学生支援モデル(Figure 1)を開発する。その後,入学する学生が,どの学生支援パターンに類似しているかをモデル予測することにより,潜在的な支援ニーズにマッチした「きめ細かく効率的な学生支援方法」を教育現場に適用することが目標である。
方 法
学校内外に散在しているマクロ・ミクロデータの収集・統合作業を推進する。データ統合後は,分析ソフトにより,各種投入変数の取捨選択を行いながらプロトタイプモデルを開発する。その後,モデル適合度の向上を目指すため,eポートフォリオ内の定期的な振り返りをテキストマイニング分析により検証する。また,学生の半構造化面接を行い,主観的側面からもモデルを補完することを予定している。さらに,適合度が一定以上の品質になった場合,本学生支援モデルを教育現場へ試行適用し,学生及び教育現場からのフィードバックを得ながら,「きめ細かく効率的な学生支援方法」を模索する。今年度は,プロトタイプの開発期間としている。
近年,ICTの発展により教育ビッグデータの利活用が注目を浴びている。海外ではいち早く教育ビッグデータに対するラーニングアナリティクス(以下,LA)の研究と実践が行われ,国内においてもその必要性が急速に認識されつつある(近藤,2016)。緒方ら(2016)は,学習管理システム,eポートフォリオシステム,電子教材システムの学習履歴データを統合した教育ビッグデータを構築・分析している。一方,大学IR(大学の意志決定を支援するための情報収集やデータ分析活動)の中でも教学部門に特化した教学IRも急速に普及しつつある(高橋,2014)。これら2つの研究分野に対し,船守(2014)は,教学IRで扱うマクロデータ(学務情報等)とLAで扱うミクロデータ(学習履歴等)を組み合わせた精緻な教学IRの必要性を指摘している。さらに,学習支援を行うにあたり,マクロ・ミクロの両データをどのようなバランスで組み合わせるかの課題はあるが,多様なデータを組み合わせて新しい知見が得られることに期待がかけられているとしている(船守,2014)。
目 的
本研究は,教学IRと教育ビッグデータを統合した学生支援モデルのプロトタイプを開発することが目的である。具体的には,教学IRで扱う学務情報等と教育ビッグデータで扱う学習履歴等を統合し,投入変数を学習・生活・キャリアの3つの支援カテゴリーに分類する。さらに,各カテゴリー内外の投入変数を組み合せた多次元パターンを持つ学生支援モデル(Figure 1)を開発する。その後,入学する学生が,どの学生支援パターンに類似しているかをモデル予測することにより,潜在的な支援ニーズにマッチした「きめ細かく効率的な学生支援方法」を教育現場に適用することが目標である。
方 法
学校内外に散在しているマクロ・ミクロデータの収集・統合作業を推進する。データ統合後は,分析ソフトにより,各種投入変数の取捨選択を行いながらプロトタイプモデルを開発する。その後,モデル適合度の向上を目指すため,eポートフォリオ内の定期的な振り返りをテキストマイニング分析により検証する。また,学生の半構造化面接を行い,主観的側面からもモデルを補完することを予定している。さらに,適合度が一定以上の品質になった場合,本学生支援モデルを教育現場へ試行適用し,学生及び教育現場からのフィードバックを得ながら,「きめ細かく効率的な学生支援方法」を模索する。今年度は,プロトタイプの開発期間としている。