The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PE(01-80)

ポスター発表 PE(01-80)

Sun. Oct 8, 2017 1:30 PM - 3:30 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

1:30 PM - 3:30 PM

[PE69] 調理実習の授業における自己効力感を活かしたアクティブ・ラーニング「主体的・対話的で深い学び」授業実践

短期大学総合学部女子学生において

西岡陽子 (大手前短期大学)

Keywords:調理実習, 主体的・対話的で深い学び, 自己効力感

はじめに
次期学習指導要領では,「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を目標としており,新しい時代に必要となる資質・能力の育成の教育を強化すべく,アクティブ・ラーニングの視点からの不断の授業改善が求められており,教科,科目等の新設や見直しが行われている。
 近年家庭科の授業,調理実習の授業が減少している中,短期大学総合学部の女子学生の調理実習授業において「主体的・対話的で深い学び」の研究調査を行った。
 学校教育の中で,専門職以外(調理師,栄養士を目指さない)の学生にも,対話的な学びの過程を学ぶことができる調理実習の授業は,重要であると筆者は実感する。
 調理実習では材料から調理までの過程を経るうえで,どうすればおいしい料理となるかを考え,対話しながら進めていくことができることから重要と考えている。
 さらに,女子学生にとって,今後,親となり子育てをしていくうえで重要なことは,子どもにおいしく安全な食事を作ることである。
 近年,コンビニで手軽に弁当が買えたり,多種多様なメニューの外食を気軽にとることができ,その結果,短期大学生になっても包丁を扱えない学生,野菜の名前を知らない学生,火を怖がる学生が多くなっている。つまり,調理を作らない人が増加している状況である。
 短期大学生における調理実習の授業において,料理を作る工夫,調理実習の班での行動が,社会性を生み出すと考えている。
 今回の調査では毎回の授業後に学生に振り返りシートを記入してもらうことで,調理実習の授業により自己効力感がどのように変化していくのかを調査した。

方   法
 調査方法については,調理実習開始前に調査依頼を行い調理実習後に回答を求めた。質問紙調査法は一斉調査法で自由回答とした。学生には,統計学的に処理をして研究以外に使用するものではないこと,倫理的配慮を行うことを説明した。
1 授業振り返りシート(西岡,2016)
2 調理実習自己効力感尺度(西岡,2016)
調査時期
平成28年4月~29年3月
調査協力者
短期大学女子学生75名(18歳~21歳)

結   果
 短期大学女子学生の調理実習の授業には,班単位で協力して調理をする,デモンストレーションを見て学ぶなどのアクティブな調理実習を行い,学生の主体性を活かすことを重視した。
 調理実習の授業の振り返りシートの記入欄には,実習を振り返ることで,学生自身が身に付いたことの具体的な内容記述が多く見られた。
 振り返りシートの導入により学生の授業での質問も増えた。また,学生のノートには,調理実習での気づきや調理実習で学んだ授業の中での調理のポイントの記述が多く見られ,その後,家庭で実践したというコメントを記入した学生が増えた。