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[PF32] 教員養成校における「教育相談」の授業のあり方について
カウンセリングマインドを持った教員の養成
Keywords:教育養成, 教育相談, カウンセリングマインド
はじめに
昨今,我が国は情報化・国際化により急激な社会変化を遂げているなか,学校では,いじめ・学級崩壊などさまざまな問題が生じている。そんななか,教員としてどのような資質が必要か考えなければならない。教員養成校における教員養成課程のカリキュラムに求められる資質や人間性はどのようなものか。対人援助の仕事を目指す人材養成において,「教育相談」の授業内容は重要である。
保育所(園)や幼稚園を取り巻く環境が大きく変化しているなか,幼稚園教員や保育士は,乳幼児を理解し,活動の場面に応じた適切な指導を行う力をもつことが重要であり,さらに,家庭との連携を十分に図りつつ教育を展開する力なども求められている。以上のことからも,保育士や幼稚園教諭の資質向上の必要が必要である。
目 的
幼稚園教諭・保育士を目指す学生に求められる,カウンセリングマインド,コンサルテーション能力とはどのようなものかを明らかにする。
調査方法
(1)調査時期・調査対象
平成29年1月に保育士・幼稚園教諭に求められる資質に関し,A専門学校在籍中の学生81名を対象に資質能力を問うアンケート調査を実施した。
(2)調査内容
江田氏の「保育士に求められる資質能力」注1)に関するアンケート調査を参考に作成した。
結 果
各項目において,特に保育士・幼稚園教諭に求められるものを3つ選んで貰い,その中でも特に重要と思うものを1つ選んで貰った。
(1)回答者の性別・学年
回答者のうち,男子20人(24.7%),女子61人(75.3%)で,学年では,一年生31人(38.3%),二年生50人(61.7%)であった。
(2)保育士・幼稚園教諭に求められる資質
「保育士・幼稚園教諭に求められる資質」に関しては,「命を守る責任感」が42人(51.9%)でもっとも多く,次いで「保育士・幼稚園教諭としての責任感」が39人(48.1%),「子どもの気持ちや求めることを柔軟に受け止めることができる」が32人(39.5%)であった。
(3)豊かな人間性
「豊かな人間性」に関しては,「思いやりの心」が72人(88.9%)と最も多く,次いで「人間尊重・人権尊重の精神」が54人(66.7%)で,「感動する豊かな感性」が49人(60.5%)であった。
(4)保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する愛着,誇り,一体感
「保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する愛着,誇り,一体感」に関しては,「子どもを安心して預けることができる」が46人(56.8%)と最も多く,次いで「子どもに対する愛情」が43人(53.1%)で,「子ども一人ひとりの存在を認めることができる」が40人(49.4%)であった。
(5)保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する養護,教育等に関する知識及び技能
「保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する養護,教育等に関する知識及び技能」に関しては,「子どもの個性を伸ばす能力」が67人(82.7%)と最も多く,次いで「子どもの意欲を高める能力」が56人(69.1%)で,「保育の意義や保育の役割に関する正確な知識」が31人(38.3%)であった。
ま と め
本研究の結果,保育士・幼稚園教諭養成校に在籍する学生は,保育士・幼稚園教諭に求められる資質能力に関しては,「命を守る責任感」や「こどもの気持ちや求めることを柔軟に受け止めることができる」事が必要だと考えていることが明らかになった。また,保育士・幼稚園教諭に求められる人間性としては,「思いやりの心」」「豊かな感性」が必要なことがわかった。このことは,教科書による学習だけでなく,学生自身が体験を通じて磨く感性でもあるため,「教育相談」の授業においては,アクティブラーニングなどの授業導入の必要性が示唆された。
また,保育士・幼稚園教主の職務上の能力として,「子どもに対する愛情」,「子どもの個性を伸ばす能力」が必要だと感じている学生が多く,子どもの状態を把握し,支援方法を見いだせるアセスメント能力が必要である。
引用文献
注1)江田美代子,「保育士に求められる資質能力に関する調査研究」,宮崎女子短期大学紀要34,pp.31-46,2007
昨今,我が国は情報化・国際化により急激な社会変化を遂げているなか,学校では,いじめ・学級崩壊などさまざまな問題が生じている。そんななか,教員としてどのような資質が必要か考えなければならない。教員養成校における教員養成課程のカリキュラムに求められる資質や人間性はどのようなものか。対人援助の仕事を目指す人材養成において,「教育相談」の授業内容は重要である。
保育所(園)や幼稚園を取り巻く環境が大きく変化しているなか,幼稚園教員や保育士は,乳幼児を理解し,活動の場面に応じた適切な指導を行う力をもつことが重要であり,さらに,家庭との連携を十分に図りつつ教育を展開する力なども求められている。以上のことからも,保育士や幼稚園教諭の資質向上の必要が必要である。
目 的
幼稚園教諭・保育士を目指す学生に求められる,カウンセリングマインド,コンサルテーション能力とはどのようなものかを明らかにする。
調査方法
(1)調査時期・調査対象
平成29年1月に保育士・幼稚園教諭に求められる資質に関し,A専門学校在籍中の学生81名を対象に資質能力を問うアンケート調査を実施した。
(2)調査内容
江田氏の「保育士に求められる資質能力」注1)に関するアンケート調査を参考に作成した。
結 果
各項目において,特に保育士・幼稚園教諭に求められるものを3つ選んで貰い,その中でも特に重要と思うものを1つ選んで貰った。
(1)回答者の性別・学年
回答者のうち,男子20人(24.7%),女子61人(75.3%)で,学年では,一年生31人(38.3%),二年生50人(61.7%)であった。
(2)保育士・幼稚園教諭に求められる資質
「保育士・幼稚園教諭に求められる資質」に関しては,「命を守る責任感」が42人(51.9%)でもっとも多く,次いで「保育士・幼稚園教諭としての責任感」が39人(48.1%),「子どもの気持ちや求めることを柔軟に受け止めることができる」が32人(39.5%)であった。
(3)豊かな人間性
「豊かな人間性」に関しては,「思いやりの心」が72人(88.9%)と最も多く,次いで「人間尊重・人権尊重の精神」が54人(66.7%)で,「感動する豊かな感性」が49人(60.5%)であった。
(4)保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する愛着,誇り,一体感
「保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する愛着,誇り,一体感」に関しては,「子どもを安心して預けることができる」が46人(56.8%)と最も多く,次いで「子どもに対する愛情」が43人(53.1%)で,「子ども一人ひとりの存在を認めることができる」が40人(49.4%)であった。
(5)保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する養護,教育等に関する知識及び技能
「保育士・幼稚園教諭の職務上で大切な保育に関する養護,教育等に関する知識及び技能」に関しては,「子どもの個性を伸ばす能力」が67人(82.7%)と最も多く,次いで「子どもの意欲を高める能力」が56人(69.1%)で,「保育の意義や保育の役割に関する正確な知識」が31人(38.3%)であった。
ま と め
本研究の結果,保育士・幼稚園教諭養成校に在籍する学生は,保育士・幼稚園教諭に求められる資質能力に関しては,「命を守る責任感」や「こどもの気持ちや求めることを柔軟に受け止めることができる」事が必要だと考えていることが明らかになった。また,保育士・幼稚園教諭に求められる人間性としては,「思いやりの心」」「豊かな感性」が必要なことがわかった。このことは,教科書による学習だけでなく,学生自身が体験を通じて磨く感性でもあるため,「教育相談」の授業においては,アクティブラーニングなどの授業導入の必要性が示唆された。
また,保育士・幼稚園教主の職務上の能力として,「子どもに対する愛情」,「子どもの個性を伸ばす能力」が必要だと感じている学生が多く,子どもの状態を把握し,支援方法を見いだせるアセスメント能力が必要である。
引用文献
注1)江田美代子,「保育士に求められる資質能力に関する調査研究」,宮崎女子短期大学紀要34,pp.31-46,2007