The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

Presentation information

Cancelled

ポスター発表 PF(01-81)

ポスター発表 PF(01-81)

Sun. Oct 8, 2017 4:00 PM - 6:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

4:00 PM - 6:00 PM

[PF67] 地域の子ども支援者が発見する子どものSOSとその支援

学校等との連携の実態

吉永真理1, 重根美香2, 小泉令三3 (1.昭和薬科大学, 2.一般社団法人 子ども安全まちづくりパートナーズ, 3.福岡教育大学)

Keywords:地域, 子ども支援者, 子どものSOS

はじめに
 文科省はH24に「学校における子供の心のケア:サインを見逃さないために」と題した指導参考資料を作成した。その中で学校外の連携先である「地域」については自治会,民生委員,学校評議員が「地域資源」と定義された。現在,地域には多様な相談機関や支援活動があり,プレーパークや児童館などさまざまな地域における子どもの居場所において,見出される子どものSOSの事例は多くある(吉永・重根, 2016)。最前線で子どもの気持ちを受け止め,危機介入も行なわれているが,公的機関との連携は不十分で,支援者の不安も大きく,救われる子どもの数にも限界がある。子どもにとって信頼できるSOS支援者養成のためにも,どのような地域の支援者が子どものSOSを見出し,支援したり,学校等諸機関と連携しているかの実態把握は急務である。本研究では,支援者の属性に着目しながら,支援と連携の実態を把握した。
方法・対象
 首都圏の二か所で実施された研修会のあとに,地域での支援者122名を対象に,質問紙を配布し,回答してもらった。質問項目は回答者の属性(所属先,子ども支援の経験年数),子どものSOSの内容,連携先,支援事例において成功した対応の内容である。有効回答数は116名となった。
結果と考察
1)支援者の属性
 回答者の所属先は児童館,児童クラブ,保育園の他主任児童員,子ども家庭支援センター,プレーパーク等であった。勤務年数は1年が19%だった一方,10年以上も17.2%となり,5年以上の比較的経験が豊富な支援者が4割を占めた。子どもに関わる仕事をしている期間は,10年以上が50%,5年以上が7割以上となり,経験豊富な対象者が多かった。
2)勤務年数・支援年数とSOS発見経験
 表1に示したように,支援年数の長さはSOS発見経験に関連していた。支援年数が長いほど過去5年間のSOS事例の経験数は多くなり,家庭や学校と連携した経験事例数も多くなる。連携できるかどうかは,支援者が子どもや親にとって信頼できる存在であり,日頃から地域において支援者・機関の間の情報共有・それぞれの専門性についての共通認識の保有・役割分担が十分なされているかに関係していることがうかがえた。
*Fisherの直接法
文献:吉永真理,重根美香: 地域における子どものSOS発見と支援の実態:事例を通した検討, コミュニティ心理学会第19回大会,栃木 ,2016/6