The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PG(01-81)

ポスター発表 PG(01-81)

Mon. Oct 9, 2017 10:00 AM - 12:00 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

10:00 AM - 12:00 PM

[PG10] 大学生親子ペアデータによる親離れ・子離れと関連要因の検討(2)

親と子の「親離れ」「子離れ」認知による自立的・肯定的親子関係認知の差

水本深喜1, 高田治樹2, 正木澄江#3, 池上慎平#4 (1.国立成育医療研究センター, 2.立教大学, 3.文教大学, 4.青山学院大学)

Keywords:子離れ, 親離れ, ペアデータ

問   題
 親との関係において,子が親離れしている,親が子離れしているという主観的認知は,自立期を迎えた青年期後期の親と子には特に重要であろう。そしてその認知には,親子間でズレが生じるだろう。本研究では母子ペアデータを用い,親離れ・子離れ認知が,青年期後期の子と親の自立的・肯定的関係性認知にどのように関わり,親子間でどのようにズレているのかを明らかにする。
方   法
 大学生およびその母親に質問紙調査を行い,77組の母子より親子ペアの回答を得た(男子8名,女子69名)。尺度は,子どもの自立について母子に問う「母子関係における精神的自立尺度」(水本・山根,2011/2015),母親の養育態度について母子に問う「自律性援助尺度」(櫻井,2003),「母親の分離不安尺度」(林,2004),肯定的な親子関係認知について母子に問う「親子関係満足感尺度」(戸口・高木,2008)を用いた。加えて,「親離れ」「子離れ」を「している」「していない」について,母子それぞれに二者択一を求め,これらを親と子の「親離れ認知」「子離れ認知」とした。
結果と考察
 「子離れ認知」は母子同じ回答が多かったが(χ2=8.07,p<.01),「親離れ認知」では回答に偏りはみられなかった(χ2=.85,n.s.)。
次いで,母親の親離れ(子離れ)認知×子の親離れ(子離れ)認知×親・子の混合3要因分散分析を行った。母子の親子関係認知のズレについては,「親離れ認知」を独立変数にした場合,親・子の主効果のみがみられた(Table1)。子は,母親が捉えているほどには「親との信頼関係」を築いていると感じていなかった。また,子は,母親の認識よりも「親の分離不安」を強いと感じていた。母子での「関係満足感」は,母親より子で高かった。
 一方,「子離れ認知」を独立変数にした場合には,交互作用が見られた(Table2)。子が「親は子離れしている」と認識すると,認識していない群よりも,「親との信頼関係」を築いていると感じていた。子が「親は子離れしていない」と認識している群では,「親の自律性非援助」「子の支配」といった母親からの統制的関わりを子は母親が認識するよりも強く認識していた。子が「親は子離れしている」と認識している群では,子は母親よりも母子関係に満足していた。これらのことから,子が「親は子離れしている」という認知は,母子関係に重要な役割を果たすと考えられた。